新宿御苑前駅から徒歩約5分の「シェフス(CHEF'S)」。上海料理を専門とする老舗の中華料理店であり、食べログでは百名店に選出されています。ちなみに表参道の星付き中華「ミモザ(MIMOSA)」の南俊郎シェフは、当店で料理長を務めていました。
ディナーは客単価2万円の高級店ですが、同じ料理人が作るランチは千円かそこらで楽しむことができるため、当然に大人気のお店。ピークタイムは場面で待ちが生じるので、オープンと同時にお邪魔しました。
寒くて乾燥する日は新宿御苑の「大温室」がオススメ。
— タケマシュラン (@takemachelin) December 12, 2025
入った瞬間、むせ返るような緑の香りに包まれ、東南アジアを想起させるジメジメと蒸し暑い空気が心地よい。
ちなみに園内にはスタバもコワーキングスペースもありますこれ豆な。 pic.twitter.com/R87FIvaD4d
ランチに付随するサラダ。これはまあ、オマケと言えばオマケらしいサラダですね。価格を考えれば当然かもしれません。ちなみに麺類はスーパーで売っていそうな袋詰めの既製品を使用しているので、その緩急は理解した上で訪れましょう。
サイドメニューのエビの春巻き。エビはすり身にし過ぎずゴロっとした食感を残してあるため、噛み締めるたびに海老特有のプリプリとした弾力と、凝縮された甘みが口いっぱいに弾けます。サラっと組み込んでいる生姜の香りが心地よい。
ランチで一番人気の「肉のせ炒飯」。パラパラという食感とはまた違う、ふわんりと空気を含んだ軽やかなスタイルです。玉子の比率が高く塩味は控えめで上品そのもの。そこに醤油ベースで甘辛く味付けされた豚肉がのり、脂の甘みと醤油の香ばしいタレが淡白な炒飯に徐々に染み渡り、食べ進めるごとに旨味のグラデーションが変化していきます。
こちらもサイドメニューの「大焼売」。箸で持ち上げるとずっしりとした重みを感じるほどのサイズ感であり、薄くしなやかな皮の中には、丁寧に練り上げられた豚肉の餡が隙間なく詰め込まれています。玉ねぎの自然な甘みが豚肉の脂の旨味を中和しており、大きくても決して重たさを感じさせません。
私がイケメンだからか、オマケで「シェフスカレー」もお出し頂けました。ベースに中華風の出汁がきいており、そこへレモングラスやカフィアライムリーフ(こぶみかんの葉)といったハーブが加わることで、アジアの風を感じさせる爽快な香りを纏っています。いわゆるスパイスカレーとはまた違う、思いもよらない味覚でした。
以上を食べてお会計は2千円強。夜の客単価を思えば破格という他ありませんが、特筆すべきはその安さだけではなく、炒飯やカレーが放つ孤高の存在感にあるでしょう。このランチは夜という本番に向けた贅沢な序章に過ぎないのかもしれません。次回はディナーにお邪魔したいと思います。
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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
- チャイナハウス龍口酒家(ロンコウチュウチャ)/幡ケ谷 ←東京の10,000円以下の中華だとダントツ好き
- 中華銘菜?陽(センヨウ)/東高円寺 ←率直に美味しくアラカルト可なのが嬉しい
- サエキ飯店/目黒 ←切れ味抜群
- ShinoiS(シノワ)/白金台 ←めちゃ美味しいんだけれど高いんだよなあ
- 4000 Chinese Restaurant/西麻布 ←王道中の王道の中華料理ですげえ旨い
- センス(Sense)/日本橋 ←あれだけ香港に通い詰めた結果、日本の飲茶が一番とは実に複雑な心境
- 南方中華料理 南三(みなみ)/四ツ谷 ←素晴らしい、何も言うことは無い
- 蓮香(レンシャン)/白金高輪 ←日本人が一般に想像する中華料理のイメージを打破する多彩な魅力
- 中華バル 池湖(いけこ)/渋谷 ←度を越した費用対効果
- 紫玉蘭/麻布十番 ←税込800円は神のなせる業
- VELROSIER (ベルロオジエ)/河原町(京都) ←フランス料理みたい
- 開化亭(かいかてい)/岐阜駅 ←過剰なものは何も無く、足りないものも何も無い
- Mott 32(卅二公館)/中環(香港) ←この中華料理はちょっと東京には無い
- Lung King Heen(龍景軒)/中環(香港) ←総合力という意味では香港における飲茶で私的ナンバーワン







