パーク ハイアット シドニー(Park Hyatt Sydney)/ロックス

1990年に開業して以来、静かな贅沢とパーソナライズドなサービスで耳目を集め、南半球で一番のホテルとして成功を収めた「パーク ハイアット シドニー(Park Hyatt Sydney)」。シドニーを象徴し、世界遺産としても認められたオペラハウスの真向かいに位置しています(写真は公式ウェブサイトより)。
The Rocks(ロック地区)のハーバーサイドにあり、シドニー空港からは車で30分ほど。大きな荷物が無いのであればサーキュラーキー駅から15分ほど歩いて向かっても良いでしょう。なんせこのあたりはオーストラリアきっての景勝地であり、ブラブラ歩いているだけでも楽しい。なお、ホテルの目の前には専用の桟橋があり、水上タクシーやプライベートボートで直接アクセスすることも可能です。
14時頃に到着したのですが、「部屋をアップグレードしたくて、その部屋がもうちょっとで仕上がるから、少し待って欲しい」との案内があり30分ほど時間を潰す必要があったのですが、実際、案内された部屋が大そう素晴らしく、いきなりテンション爆アゲです。
お部屋は80平米近くあり、ゆったりとした広さが確保されています 。しかし広さ以上に重要なのはその空間構成。床から天井まで広がるガラスのドアは、プライベートバルコニーへと続き、目の前にはオペラハウスが鎮座します。
寝具はどでかく重厚感たっぷり。内装の色合いはチョコレート、クリーム、ベージュといったニュートラルな色彩で統一されており、ゲストの視線を自然と窓の外の景色へと導きます 。この部屋からオペラハウスが永遠に見える。ちなみにオペラハウスの建築家はデンマーク人で、完成前にクビになって帰国して、けっきょく完成後の実物を見ないまま他界しました。これ豆な。
「パーク ハイアット」ブランドにはエグゼクティブラウンジが設置されていないのが一般的ですが(客室数が少なく全員がエグゼクティブ扱い)、ウェルカムドリンクとしてピノノワールのボトルが丸々1本用意されていました。寝酒にピッタリだ。なお、グローバリスト(ハイアットの最上級会員)の特典として、夕方のメインバーの利用は半額で済むとの案内もありました。
ミニバーにつき、ネスプレッソや紅茶、ミネラルウォーターは無料であり、その他のお酒やスナックは有料です。なお、ネスプレッソ等はターンダウン時に補充してくれます。
クローゼットは「パークハイアット釜山(Park Hyatt Busan)」のようなウォークインタイプではなく、お部屋の広さの割に小さめ。当館はエルトン・ジョンがシドニー公演の際の常宿なのですが、長期滞在時に衣類は納まり切るのかな、などと、どうでもよい心配をしてしまいました。
ウェットエリアも広々。お部屋側との仕切りの戸をスライドさせれば、バスタブからオペラハウスを望むことができます。
ベイシンは当然に2つ用意されており、シャワーブースの湯量も充分。アメニティはパークハイアット定番の「Le Labo」で統一されており、ドライヤーはダイソンのものでした。
なお、トイレは独立したパウダールームとして設置されており、オーストラリアでは珍しくシャワートイレ付でした。
共用設備に参りましょう。フィットネスセンターは24時間利用可能であり、全155室という客室数の割に、かなりのスペースを確保しています。マシンはイタリアの有名ブランド「テクノジム(Technogym)」社のものでした。
屋上には宿泊客専用のテラスとプール。プールはごくごく小さくガチ泳ぎには不向きですが、360度のパノラマビューは映え中の映えであり、中国人が2時間ぐらい自撮りしていました。
朝食はメインダイニングである「The Dining Room by James Viles」で提供されます。2025年の「Accommodation Australia NSW Awards for Excellence」で「Best Hotel Breakfast」を受賞しており、その質の高さは折り紙付き。なるほど眺望に客層、サービス陣の手際の良さなどを勘案すると「Best Hotel Breakfast」と評しても過言はないレベルの高さです。泊まる機会があるのであれば、必ず朝食付きのプランとしましょう。必ずです。
素晴らしいホテルでした(写真は公式ウェブサイトより)。「パークハイアット」ブランドで一番好きなのはもちろんのこと、ハイアット系列でもトップのお気に入りかもしれません。過剰な高層ビルではなく低層で街に上手く溶け込んでおり、スタッフはゲストの名前を覚えて自然に声をかけ非人格的になりがちな大規模ホテルとは一線を画すサービスを提供し、まるでプライベートクラブや邸宅にいるかのような感覚を醸成しています。

価格で競合と争う必要のない、体験そのものの質で市場をリードする存在。シドニーを何度か訪れるのであれば、一度は滞在したいホテルです。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。