よっちゃん亭/牧志(那覇)

2025年7月、那覇の食通たちの間で愛されてきた栄町の「Le Bistro よっちゃん亭」が国際通りにほど近い牧志の「+HACCHIビル」に移転リニューアルオープン。「+HACCHIビル」は屋台村のようなコンセプトの飲食ビルで、その2階の奥に位置します。
以前の店舗からは大幅に規模が縮小し、7-8席のストレートカウンターのみで客席は構成されています。厨房設備に制約があるためか、3品で構成される5,500円のコース1本勝負となっていました。ちなみにシェフは沖縄県を中心に出張料理やケータリング、イベント、料理教室などで長く活躍されている方です。
ワインは料理に合わせてシェフに全てお任せ。個別具体的な価格は不明ですが、最終支払金額から逆算するに、1杯千円かそこらです。気軽にジャンジャン飲みましょう。
まずは野菜のテリーヌ。沖縄産を中心とした10種類の野菜が織りなす鮮やかなひと品。野菜本来の甘み、ほろ苦さ、大地の香りが口の中で弾けます。シャキシャキ、ほっくりとした食感の対比も楽しく、素材の生命力を感じます。
マグロのサラダ仕立て。濃厚なマグロの旨みを瑞々しいマンゴーの芳醇な甘みが引き立てます。サッパリと仕上げた茄子が夏らしい清涼感をプラスし、爽やかで多層的な味わいの逸品です。
鴨のポワレ。皮目はパリッと香ばしく、身はしっとりと弾力のあるロゼ色。噛みしめると鴨肉の濃厚なコクと旨みが溢れ、後から追いかける蜂蜜の優しい甘みが、その味わいを上品にまとめます。王道中の王道の味わいであり、これがフランス料理だと言わんばかりの美味しさです。
以上を食べ、たっぷり飲んでお会計はひとりあたり1万円ほど。筋の通ったフランス料理を堪能してこの支払金額はリーズナブル。以前の店舗ではオーダーメイド色が強く予算も高く設定されていたので、移転というよりは業態変更の意味合いが強いかもしれません。落ち着いてきたらアラカルトでの提供も考えているそうで、今から楽しみです。

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沖縄通を気取るなら必ず読んでおくべき、大迫力の一冊。米軍統治時代は決して歴史のお話ではなく、今の今まで地続きで繋がっていることが良くます。米軍の倉庫からかっぱらいを続ける悪ガキたちが警官になり、教師になり、ヤクザになり、そしてテロリストへ。沖縄戦後史の重要な事件を織り交ぜながら展開する圧巻のストーリー構成。オススメです。