那覇市久米にある沖縄そば専門店「天妃そば (てんぴそば)」。色んなランキングの上位に位置するような派手さはありませんが、流行に左右されず地元住民に一貫して愛され続ける老舗です。場所は旭橋駅から歩いて5分、那覇西消防署の斜め前です。
店内にはカウンター席とテーブル席があり、合計で20席ほどが用意されています 。かりゆしを着た近隣の勤め人や作業着姿のニイチャンが支配的で、観光客を見かけることはありません。ちなみに店名である「天妃」は、かつてこの地域に存在した町名に由来するそうです。
控えめで無欲で謙虚な私ですが、この日は「よくばりそば」を注文。本ソーキ、軟骨ソーキ、三枚肉がすべて入った全部乗せ。麺も自動的に大盛りで剛毅1,200円です。ちなみにランチタイムには「じゅーしー(沖縄の炊き込みご飯)」または「いなり寿司」がサービスで付きます。
肉がたっぷりで嬉しくなりますね。三枚肉すなわち 豚バラ肉を甘辛く煮込んだものは沖縄そばの定番具材。本ソーキは骨付きの豚あばら肉すなわちスペアリブを柔らかく煮込んだもの。骨から肉がほろりと取れるほど煮込まれています。軟骨ソーキ豚の軟骨部分を長時間煮込み、とろけるような食感に仕上げたもの。コラーゲンたっぷり。
麺は細めのストレート麺でツルツルとした喉越しが心地よい。なかなかにコシもあり、歯応えを楽しむことができます。スープは鰹節がベースでしょうか。あっさりとしていながらもコクがあり、塩味はやや強め。ほどよく酸味が感じられ、素朴ながらも飽きのこない味覚です。
カウンターにはセルフサービスのフーチバー(よもぎ)が置かれており 、青い苦みが感じられ、そばに清涼感が加わります。
サービスの「じゅーしー(沖縄の炊き込みご飯)」。そばのスープで炊いているのでしょうか、程よく塩気と旨味が感じられます。豚肉、ひじき、にんじん、しいたけが細かく刻まれており、ノスタルジックな味覚です。
しみじみ美味しいそばでした。店構えや客層を含め日常に溶け込む沖縄そば。「EIBUN」のような派手派手なそばも良いですが、毎日食べても飽きの来ない味覚とは、当店のようなものなのかもしれません。しみじみどうぞ。

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