恵比寿の「フォンダ サン ジョルディ(Fonda Sant Jordi)」。カタルーニャ出身のシェフが腕を振るうカタルーニャ料理専門店であり、食べログでは百名店に選出されています。ビルの外壁が工事中でわかりづらいですが、当ビルのエレベーターで上がって2階に位置します。
店内は濃い色の木材に緑色のクロスが映える、家庭的で温かな雰囲気。テーブル席のみで20席強といったところでしょうか。シェフは「サンパウ」や「ティオ・ダンジョウ」で経験を積み、2014年に当店を開業。日本語が堪能な気のいいオッチャンです。
酒は高くなく、グラスワインも生ビールも1杯千円を余裕で切ります。ボトルのワインも3千円台から始まり、気前よくバンバン酔っぱらうことができるでしょう。アラカルト注文も可能ですが、我々はコース料理でお願いしました。まずは前菜盛り合わせであり、フランス料理やイタリア料理のそれとは一味違ったラインナップです。グラスに入った具沢山のサラダが滅法旨く、これだけ単品注文でおかわりしようかと思ったほどです。
イベリコ豚の生ハムとサラミ。そのとろけるような食感と芳醇な香りは、まさに至福の味わい。脂が旨い。スパークリングワインがバンバン進む、罪深きオツマミです。
塩ダラのフリットにスペイン風のオムレツ。塩ダラがいいですね。塩抜きによって凝縮された上品な旨味と、ほろりと崩れる柔らかな食感が特長的で、絶妙な塩加減が鱈本来の風味を最大限に引き立てています。パエリャは色々選べて、我々はバレンシア風をチョイス。魚介を使わない「山のパエリア」であり、ウサギの繊細な旨味、豚スペアリブの力強いコクを楽しむ逸品。エスカルゴの独特なコクと白インゲン豆のほっくりした食感も一体的に楽しみます。おこげの部分が旨いんだ。
デザートはプリン。卵黄主体のスゴクカタイプリンであり、鮨屋のギョクに通じる存在感がありました。
以上のコース料理が6千円ほどで、酒やら何やらでお会計はひとりあたり1万円弱。恵比寿で本場のカタルーニャ料理を堪能してこの支払金額はリーズナブル。客層も旨いもん好きの善男全女が集っており全体として居心地よし。もろもろセンスが良く初デートに良さそう。私は次回はグループで訪れ、アラカルトで色々とと試してみたいと思います。

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