琉球餃子マニア(りゅうきゅうぎょうざまにあ)/美栄橋

全国に展開する「マニア」シリーズの一店舗で、沖縄ならではの「琉球アグー豚」を使用した餃子を看板メニューとする「琉球餃子マニア(りゅうきゅうぎょうざまにあ)」。場所は那覇の一銀通り沿い、「JUMBO STEAK HAN’S(ハンズ)」のお向かいに位置します。
ところで、食べログの公式ページにおいて『~ミシュランガイド2019掲載店~当店限定「琉球アグー餃子」』との記述があるのですが、沖縄でミシュランガイドが発刊されているとは寡聞にして知らない。ミシュランにも色々あるのかもしれない。
内外装につき、台湾や中国の夜市をイメージしたカラフルな装飾とネオンが特徴的。厨房に面したカウンター席にテーブル席、ソファー席、テラス席に個室と様々な用途に対応できます(以上、画像は食べログ公式ページより)。飲み放題付きのプランもあるので大人数での飲み会に最適。ミシュランガイド2019掲載の居酒屋で飲み放題プランがあるお店は非常に珍しいと言えるでしょう。
ビールやサワー、ハイボールなど一般的なアルコールはいずれも600円前後と周辺相場に準じた価格設定です。とは言えミシュランガイド2019掲載店でこの値付けのドリンクプログラムは良心的です。
お通し代として300円が課されるのですが、ザーサイを食べ放題とするのは気前が良い。味そのものは中くらいですが、料理の合間にゲストを手持ち無沙汰にさせないという役割も果たしています。ミシュランガイド2019掲載店において300円でザーサイが食べ放題になるとは琉球の奇跡と言えるかもしれません。
「マニアの春巻き」は1本300円。揚げたての皮はパリッと小気味よい食感。中の餡からはエキゾチックな香りが感じられ、ジューシーな具材の旨味と相まって、お酒が進むしっかりとした味わいです。ミシュランガイド2019掲載店において300円で春巻きを提供するとは物凄まじい企業努力であり、世界で最も安価な星付き料理として名高いシンガポールの「香港油鶏飯麺(Hong Kong Soya Sauce Chicken Rice and Noodle)」に匹敵します。
サラダ類が無いので次善策として「キャベ千」。いわゆるキャベツの千切りであり、その量はトンカツ屋のそれを圧倒する勢いです。アクセントに散らされたベビースターラーメン風の駄菓子(?)がいいですね。さすがはミシュランガイド2019掲載店、工夫があります。
看板料理の「マニアの焼餃子」。見た目にも美しいパリパリの羽根を経由しつつ、強力粉を用いたモチモチの生地を楽しみます。ところでアグー豚には、カタカナ表記の「アグー豚」やひらがな表記の「あぐー豚」など色んな「AGU」があり、それぞれ定義や品質が異なります。特に本来の「アグー豚」は琉球在来豚の純血種で沖縄県固有の希少な品種のことを指し、生産量や流通が少なく非常に高価で、高級料理として扱われることが多いとされています。
なお、当店のメニュー表には「世界に誇るアグー豚使用」との記載があり、流石はミシュランガイド2019掲載店、480円という極めて安価な焼餃子についても素材選びに妥協は無いようです。
こちらは海老水餃子。粗めに刻まれた海老の「プリプリ」とした食感と風味が主役であり、焼餃子とはまた異なる絹のようになめらかな、ツルンとした喉ごしが特長的。そのほか、沖縄らしい「もずく」に加え、「シソ」「パクチー」「ニラ玉」といったユニークなバリエーションの用意もあり、流石はミシュランガイド2019掲載店といったところでしょうか。大勢で訪れて色々と味わうのも楽しそうです。 
以上を食べ、軽く飲んでお会計は3-4千円といったところ。ミシュランガイド2019掲載店としては良心的な価格設定であり、系列の予約困難店「北京ダックマニア」とはまた違った魅力が感じられました。前述の通り飲み放題プランを付けての宴会が王道ですが、0次会や2次会として利用するにも適しているでしょう。ミシュランガイド2019掲載店をサク飲みに使えるだなんて、沖縄は豊かだ。

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沖縄通を気取るなら必ず読んでおくべき、大迫力の一冊。米軍統治時代は決して歴史のお話ではなく、今の今まで地続きで繋がっていることが良くます。米軍の倉庫からかっぱらいを続ける悪ガキたちが警官になり、教師になり、ヤクザになり、そしてテロリストへ。沖縄戦後史の重要な事件を織り交ぜながら展開する圧巻のストーリー構成。オススメです。