シドニー空港の近く、オーストラリアの玄関口として発展を続けるマスコット地区にある「Northern Chinese Cuisine 东北人家(別名:Northeastern Family Chinese Restaurant または Northester Family Chinese Restaurant)」。フードデリバリーの注文がひっきりなしに入り、そのため軒先は地蔵のたまり場と化しています。
店内はゲストもスタッフも皆、中華系。公用語は中国語であり、私も普通に中国語で話しかけられました。旅行者よりも地元民がみんなでワイワイやっている雰囲気で、料理に期待が持てます。
中国東北部の料理を得意とするようで、見た感じ1皿1皿のボリュームが凄まじい。ちょうど「2人向けドリンク付きセット」のようなプランがあったので、そちらをお願いしました。セットドリンクであってもアルコールを注文できるのが良心的で、我々は中国を代表するラガービール「チンタオ」で乾杯しました。
スペシャリテの「Northern Deep Fried Pork in Scoop(鍋包肉、ゴーバオロウ)」。豚肉の唐揚げを、甘酢あんで絡めた東北料理の代表格であり、日本では中々お目にかかることがありません。ネギやパイナップルが味覚のアクセントとなり、酢豚に近い味わいです。
こちらは「Deep Fried Eggplant with Potato(地三鮮、ディーサンシエン)」。素揚げした茄子、じゃがいも、ピーマンを醤油ベースのタレで炒め合わせた、野菜が主役の家庭料理です。油で揚げられた茄子は、外は香ばしく、中はとろけるようにクリーミーな食感。たっぷり用いられたニンニクが食欲を刺激します。
ライスも付くのですが、盛り付けのビジュが良くありません。ボソボソとした口当たりで、かといって香り高いわけでもなく、日本人の口には合わないスタイルです。チャーハンとかにすれば良かったなあ。
とは言え、空港近くでそこそこ旨い中華を腹いっぱい食べ、ビールまで付いてひとりあたり3千円を切るというのは実に良心的。当店に限らず、マスコット地区は手頃な飲食店が集っているので、食事のために空港前後に立ち寄ると良いでしょう。

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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
- チャイナハウス龍口酒家(ロンコウチュウチャ)/幡ケ谷 ←東京の10,000円以下の中華だとダントツ好き
- 中華銘菜?陽(センヨウ)/東高円寺 ←率直に美味しくアラカルト可なのが嬉しい
- サエキ飯店/目黒 ←切れ味抜群
- ShinoiS(シノワ)/白金台 ←めちゃ美味しいんだけれど高いんだよなあ
- 4000 Chinese Restaurant/西麻布 ←王道中の王道の中華料理ですげえ旨い
- センス(Sense)/日本橋 ←あれだけ香港に通い詰めた結果、日本の飲茶が一番とは実に複雑な心境
- 南方中華料理 南三(みなみ)/四ツ谷 ←素晴らしい、何も言うことは無い
- 蓮香(レンシャン)/白金高輪 ←日本人が一般に想像する中華料理のイメージを打破する多彩な魅力
- 中華バル 池湖(いけこ)/渋谷 ←度を越した費用対効果
- 紫玉蘭/麻布十番 ←税込800円は神のなせる業
- VELROSIER (ベルロオジエ)/河原町(京都) ←フランス料理みたい
- 開化亭(かいかてい)/岐阜駅 ←過剰なものは何も無く、足りないものも何も無い
- Mott 32(卅二公館)/中環(香港) ←この中華料理はちょっと東京には無い
- Lung King Heen(龍景軒)/中環(香港) ←総合力という意味では香港における飲茶で私的ナンバーワン