La gueule de bois(グルドボワ)/中目黒

中目黒駅から歩いて7-8分ほどの場所にある「La gueule de bois(グルドボワ)」。山手通り沿いは賑やかですが、一本奥の路地に入るので落ち着いた雰囲気。いわゆる「ビストロノミー」すなわちビストロのように親しみやすいけれどガストロノミー(すげえ料理)を提供するという、意識の高いフランス料理店です。
店内はカウンターが10席ほどにテーブルが1卓。トータルで15席ほどの小さなお店です。あまり大勢で訪れる雰囲気ではなく、2人で訪れるのが良いでしょう。席が空いていれば予約ナシでも入れてくれます。

布山純志シェフはアメ車屋で働いたのちパチンコ屋でバイトするなどの紆余曲折を経て料理人に。フランスのニースで腕を磨いたのち、銀座の「レストランイシダ」を経て独立開業。スタッフはみな「二日酔い」Tシャツを着ていてえらいファンキーな店やなと思いきや、店名そのものがフランス語で「二日酔い」という意味だそうです。えらいファンキーな店やな。
最終支払金額から逆算するに、ワインはグラスで千円強~といったところでしょうか。面白いところでは「マイスターブロイ目黒醸造所」のクラフトビールが用意されており、いずれも手作り感のある美味しさです。
席料として千円を要するのですが、このようにきちんとしたアミューズが提供され、いずれも納得の美味しさです。なるほどビストロノミーと主張するだけあって、そのへんの自称グランメゾンよりも精緻な美味しさを感じました。
アスパラとベーコンと温泉卵のサラダ的な料理を注文すると、何とも凝ったプレゼンテーションで登場。温泉卵はひんやり、その他は温かくといった二温度帯にも挑戦しており、一般的なビストロとは一線を画す矜持を感じます。
パンも凝っていて、いずれも自家製。全粒粉を用いたものは噛みしめるためにしみじみと穀物の味を感じることができます。
イワシのマリネも綺麗なプレゼンテーション。カジュアルなビストロ料理が絵のような皿へと昇華しており、シェフは美的感覚に優れているのかもしれません。お味ももちろん二重丸。
オニオングラタンスープ。玉ねぎの味わいたっぷりで堂々の味わい。ちなみに当店はアラカルト主体でメニューには2人前の量と価格で表記されているのですが、奇数で訪れてもその辺は上手く調整してくれるのでご安心を。
タコのグリル。なのですが、スープ・ド・ポワソン(魚のスープ)をベースとしたリゾットが敷かれており、とても美味しい。ほどよくスパイシーで発酵のニュアンスも感じられ、ところどころ登場するレンコンの歯ざわりも食べて楽しい。
メインはエゾジカ。見た目ほどガチガチに鉄分な肉でなく程よく円やか。付け合わせやソースも凝っており、艶っぽいひと皿でした。
以上を食べ、グラスで3杯飲んでお会計はひとりあたり1万円強。気取ったハコに気取ったサービスを置いて恭しく提供すれば3倍は請求できそうな美味しさであり、ビストロノミーと称するに相応しいお店でした。

フランス料理を食べ慣れてない方にとっては「え!フランス料理ってこんなに美味しいの!そんなに高くないし!」だし、フランス料理愛好家にとっても「このクオリティでこの価格!?」なので、何が言いたいのかというと、素晴らしいお店でした。

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