静龍苑(せいりゅうえん)/清澄白河

私が東京、いや日本で最も愛する焼肉屋のひとつ「静龍苑(せいりゅうえん)」。電話に出ないくせに予約なしでは入れないという難易度の高めのお店です。
以前の店舗は煙モクモク系の下町焼肉だったのですが、移転してから随分とスタイリッシュになりました。パーティションで区切られた個室も造られプライベート感が増す。今回は10人で個室を貸し切りです。
まずは白菜キムチ。酸味と旨味で胃袋に刺激を注入します。そうそう、当店は常連とそうでない客の取り扱いをはっきりと区別するので、何としてでも常連に連れて行ってもらいましょう。
塩ダレ系の盛り合わせ。相変わらず美しいプレゼンテーション。まるで霜降り肉のようにも見えるスペシャリテのタン。昨今の焼肉は厚切り傾向にありますが、当店のカットは実に薄切り。ササっと炙って舌の上でタンが溶けていく。
地味に旨いのがミノ。臭みなどは一切なく、また、ミノとしては信じられないほど柔らかい。一般的なお店のミノは永遠に噛み切れないことが多いのですが、当店のそれはサクっとした食感であり瞬で噛みほぐれていきます。
ユッケ。移転によって生食用食肉取扱許可店となったため、生のユッケを注文できるようになりました。一般的なユッケよりも脂に寄せており、とろりと甘い舌触り。良いお店とはこういうサイドメニューが旨いのだ。
センマイ刺し。牛の第三胃です。文字通り内壁が幾重にもヒダになって外観はグロめ。しかしながら思いのほかアッサリとした部位であり、独特の歯ごたえが楽しめます。
じゃーん。スペシャル盛り。私はこれまで当店においてタレといえばロースしか食べたことがありませんでしたが、希少・高級部位もあるのです。持つべきものは静龍苑の常連だ。
コンドームのように薄くスライスされた上質な肉を秒でササっと炙って卵黄でパクり。ヒットチャートは入れ替わるものですが、やはり私にとってのベスト・ヤキニク・レストランは静龍苑だ。
〆は名物の玉子スープ。何てことのない一品なのですが、不思議と美味しい逸品。当店の隠れたスペシャリテと言って良いでしょう。
そうそう、前日はサロン・デュ・ショコラにお邪魔しており、お土産としてチョコレートをお持ちしたのですが、既にお返しが用意されていました。優しい世界。


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それほど焼肉は好きなジャンルではないのですが、行く機会は多いです。有名店で、良かった順に並べてみました。
そうそう、肉と言えばこの本に焼肉担当として私のコメントが載っています。私はコンテンポラリーフレンチやイノベーティブあたりが得意分野のつもりだったのですが、まあ、自分の評価よりも他人の評価が全てです。お時間のある方はご覧になってみて下さい。

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