サンタンジェロ(santangelo)/目黒

目黒は権之助坂の雑居ビル3階にある「サンタンジェロ(santangelo)」。普通に歩いていれば見つけることはまず難しいのですが、私はプロインターネッターなので、グーグルマップというハイテク技術を用いて当店を探し出しました。
店内は狭くラーメン屋のような誂えであり、カウンターが6-7席に2人がけの小さなテーブルがひとつといった陣容。オーナーシェフのワンオペで大忙しのはずなのですが、お話好きな方のようで常連とのお喋りに余念がありません。
ワインはようわからんですね。泡のボトルをお願いしたら銘柄や値段の確認も無く勝手に開けられました。また、肉料理に合わせてグラスワインをお願いすると、「お好みは?」と聞かれるので、私の好みではなく料理に合わせて欲しいとお願いしてもしつこく「お好みは?」と聞いて来、ああ、この人はきっとワインに興味が無い方なんだなと思いました。
アミューズは新玉ねぎの冷製スープでしょうか。甘味が強く大地のパワーを感じるひと品です。
アオリイカのサラダ仕立て。シンプルな調理および調味であり、素材の味が活きています。一方で、料理というよりも切ってちょっと焼いて並べただけという意見もありました。
ホタテノソテー。このホタテは大迫力ですねえ。貝柱の美味しさはもちろんのこと、肝の部分がでっぷりと太っており、アンキモに近い攻撃力を感じました。
カラスミとホタルイカのスパゲッティ。いずれの具材も旨味抜群で、炭水化物料理ながら酒の進むひと品です。
こちらはジェノベーゼのパスタ。なのですが、これは全然美味しくないですね。ただ単に緑色というだけであり、全く的はずれな調味。美味しくないどころか、どちらかというと不味いくらいです。ソースは成城石井のパスタソースの方がレベルが高く、麺も膂力に欠ける味わいです。
メインはイノシシ肉を注文。ワインの注文時にあれだけごちゃついたくせに、シェフはパっと1杯だけ置いてさっさと厨房へ戻って行きました。せめて産地とブドウぐらい教えてくれても良いのに。

また、この料理に合わせてワインを出してくれと言われれば、おすすめできるワインの種類などかなり限定されると思うのだけれど、注文時に何故あんな意味不明なやりとりがあったのか意味不明です。「セラフェ(Cellar Fête)」そうでしたが、目黒はワインの会話が噛み合わない土地柄なのかもしれません。
以上を食べ、ワインをふたりで1本飲んでグラスワインを1杯追加してお会計はひとりあたり2.5万円。信じがたい費用対効果の悪さであり、例えば「ロマンティコ(Romantico)」で似たようなラインナップで臨んでも1万円以上は安くつくことを考えると私はもう無理です。

何をどう計算しても2.5万円には達さないと思うのですが、料理やワインに値段は記載されておらず、フセン一枚総額会計方式なので何も言えません。ワインに対する無責任な姿勢については既に述べた通りであり、シーブリーズでも飲んでおいたほうが余程気持ち良く楽しめたことでしょう。

それでも常連客とは楽しそうにやっていたので、きっと一見の客など養分でしかないのかもしれません。私が全身全霊を込めておすすめしない店ですが、それでも試してみたいという奇特な方は、どうにか常連を見つけ出して連れて行ってもらいましょう。お疲れさまでした。

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