王十里(オージュリ)/銀座

「銀座で焼肉ならいつもココだなあ」とお連れ頂きました。ホルモンとミノが自慢という変わった芸風の「王十里(オージュリ)」。三越のすぐ裏手という抜群の立地。ミシュランではビブグルマン(安旨店)を獲得しています。
アルコールは銀座と言えども常識的な価格設定です。プレミアムモルツが旨く光の速さでガブガブと飲み切ります。「最近は普通に注文できるけど、20年前は殆ど日本語が通じなかったんだよね、この店」
さっそくテーブルに並べられる水キムチ。サッパリとした口当たりであり暑い夏にピッタリの味覚です。
ポッサムキムチ。「ポッサム」とは韓国語で「包む」という意味のようで、海鮮を始めとする様々な具材が白菜で1枚1枚丁寧に包まれています。でかい。
店員さんが食べやすいようにハサミでカットしてくれました。いわゆるキムチ的な辛さは控えめであり、魚介の旨味や果物(?)・野菜の甘味が感じられる品の良い味わいです。
チョレギサラダ。新鮮な葉っぱに胡麻油の風味が響きます。
季節の5色ナムル盛り。地味な存在ですが、コレ結構美味しかったなあ。特にキノコ(シイタケ?)に何かを詰め火を入れたお団子的な食感のものが記憶に残りました。こういうツマミみたいな料理もナムルの一員なんだ。
うおー!グロい!自慢のホルモンとミノが到着しました。一般的な焼肉屋のホルモンは何かグチャグチャして原型を留めていませんが、当店のそれはまさに腸でありスウィーニー・トッドのようです。
ホルモンとミノに関しては注文のチャンスは一度しかなく追加はできないのですが、それは店員さんが付きっ切りで調理してくれ手が塞がるからでしょう。極太のホルモンがジュワジュワと凝縮し、脂と旨味がギュっと詰まった昇天の味覚。フワフワでジューシーながら不思議とスイスイ食べれるという衝撃の味わい。ミノはシャキシャキとした食感で上質な食体験。すげえ旨い。
こちらはカルビ。普通に美味しいのですがよくある焼肉屋のカルビであり、ホルモン&ミノのコンビネーションに比べると見劣りします。
驚きのプルコギ。私の知っているプルコギとは、牛丼屋の肉のようなボロボロの薄切りが跡形もなく煮込まれコストコで試食にされる食物だったのですが、本来はこんなにも上品で美しい料理だったのですね。きちんとした正肉で濃いめの味付け。ベリーナイス。
〆の炭水化物は「特上ミノの炒めごはん」。先のミノを用いたチャーハンというかおこげというか、ありそうでない料理です。タレの旨味とニンニクの風味がきいており、満腹であってもついつい食べ進めてしまう魔力がありました。
デザートは簡単なフルーツ。ごちそうさまでした。
お会計はひとりあたり1.5万円強。これは7千円のコースに幾分のカスタマイズを加え、肉を追加し、かなり自由に酒を飲んだ結果であって、常識的に飲み食いするのであれば1万円におさまることでしょう。銀座という立地でこのクオリティの焼肉、何より唯一無二のミノとホルモンの味わい。なるほど冒頭の「銀座で焼肉ならいつもココだなあ」にも納得。オススメです。

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それほど焼肉は好きなジャンルではないのですが、行く機会は多いです。有名店で、良かった順に並べてみました。
そうそう、肉と言えばこの本に焼肉担当として私のコメントが載っています。私はコンテンポラリーフレンチやイノベーティブあたりが得意分野のつもりだったのですが、まあ、自分の評価よりも他人の評価が全てです。お時間のある方はご覧になってみて下さい。