金峰魯肉飯(Jinfeng Luroufan)/中正紀念堂(台北)

台北で魯肉飯と言えば「金峰魯肉飯(ジンフォン ・ルーローファン)」。営業時間中は行列が絶えず、地元の方に大人気。一大観光地「中正紀念堂」のすぐ近くであり、地下鉄とのアクセスも便利なので、観光客にとっては使い勝手の良いお店です。
軒先には10人ほどの行列だったのですが、5分ほどで入店することができました。店内は奥行きがあり客席も多く、回転は滅法速い。タイル張りに蛍光灯と、まさに台湾といった風情であり、小汚くはあるのですが一周回ってオシャレにさえ見えてきます。
オーダー表に注文する数量を記して店員に手渡します。漢字ばまりで一瞬ひるみますが、脇には写真付きのメニューも置かれているのでご安心を。店員のおばちゃんは乱暴な身のこなしですが、間違いはないかひとつひとつ丁寧に注文内容を指さし確認してくれます。「この料理にはコレが入っているから、コレ単品では頼む必要はない」といった助言まで頂きました。
注文後、数十秒で全ての料理が出揃いました。
1日に2〜3,000人前は出るスペシャリテの「魯肉飯(ルーローファン)」。肉はほとんどなく、脂ふりかけゴハンといった仕様であり、オカズの注文が必須です。なんでも日本の牛丼や親子丼のように単品で食べる丼物ではなく、他の料理と共に食べることが前提の料理だからだそうな。
こちらは「焢肉」の丼。「焢肉」が何かは不明ですが、豚の角煮と捉えれば大体OKでしょう。台中の名店「山河魯肉飯」のそれを一回り大きくしたような丼であり、魯肉飯に比べるとガッツリ食べ応えがあります。個人的には肉の裏に隠れたメンマが地味に美味しく感じました。
煮卵は全然美味しくありません。見た目ほど味は滲みておらず、黄身もカチカチ。やはり煮卵はラーメン文化が育んだ日本的なものがイチバン。
こちらは厚揚げの煮込みでしょうか。味付けが中華風であり、見た目通り安心して食べられる味わい。調味は薄目なので、他の味濃い系の料理と併せて食べるとバランスが良くなります。
骨付き肉のスープ。ダイスカットされた冬瓜とともに骨付き肉がしっかりと煮込まれており、ホロホロと肉がほぐれていく感覚が堪りません。語感に比べると随分あっさりした調味であり、ハーブの香りが心に残りました。
以上、5品で700円程度。とにかく安い。値段が値段なだけに身悶えるほど美味しい料理にはありつけませんが、この支払金額でこの量と味覚であればありよりのあり。「脳みそのスープ」といった挑戦的な料理もあり、台湾らしさが感じられるという意味で、観光客にオススメしたいお店です。


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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

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