グラスワイン 桜坂 ル・ボワ/桜坂(那覇)

第二次世界大戦後の米国統治時代には数百件のバー、スナック、キャバレー、映画館などが建ち並び、歓楽街としては沖縄県内で最も賑わっていた桜坂。近年はモノレールの開通などで再び賑わいを取り戻しつつあり、また、沖縄唯一のゲイ・タウンとしても有名です。
当店のオーナーはワインショップを営む方。国内のワイナリーを訪ねるうちに、つくり手の苦労や工夫を多くの人に伝えたいという想いに至り開店したお店だそうです。
店名はフランス語で「森」の意。テラス席から公園を望むことができ、森の優しい緑色が目に飛び込んできます。
グラスシャンパーニュは1,100円。私の知る限り世界で最もグラスシャンパーニュが安いお店です。その他のワインも500円〜と酒飲みには堪らない価格設定。料理はフレンチやイタリアンを主軸に気軽な酒のアテが何でも揃うといったラインナップ。
「イワシのエスカベッシュ(甘酢漬け)」。イワシにかなりしっかりと火が入っており、思い描いていたエスカベッシュとは少し違う。しかしながら野菜の味わいや調味はバランスが取れており、これはこれでありよりのあり。
「タコと水茄子、モーウィの梅サラダ」。モーウィとは沖縄の島野菜であり、水分たっぷりの瓜系。キュウリに似た風味です。全国的には赤瓜や越瓜(えっか)と呼ばれています。

で、そのサラダなのですが、調味は梅の風味を用いた薄い調味。さっぱりと美味しいのですが、量が少なくやや物足りなさを感じました。
「芽キャベツのフリット」。シンプルな調理ですが、これが、旨い。キャベツの美味しい部分をギュギュっと凝縮した味わいです。
「カツオのカルパッチョと焼き茄子のポン酢ジュレ」。筋肉質なカツオを豪快に並べ、爽やかな風味のポン酢ジュレをたっぷり。今あなたが想像している通りの美味であり、ポーションも大きく満足度高し。
「県産マグロ 香草パン粉のカツレツ」。東京で食べるとかなり高い料理ですが、当店では奇跡の1,000円切り。淡白で品の良いマグロに香草を纏った衣がサクっと響く。なんともお買い得な1皿です。
〆の炭水化物に「エビとキノコのトマトソース オレキエッテ」。ムチムチと弾力のあるオレキエッテ(耳たぶ状のパスタ)の要所要所にゴロゴロとエビが差し込まれており恵比須顔。こちらはトマトソースですが、クリーム系で食べても旨そうである。
デザートに「うるま農場 ビーグ(い草)と黒糖のアイス」「自家製トリュフチョコ」。前者はまさに沖縄といった味わいでオススメ。後者は美味しいのですが、まあ、普通によくあるトリュフチョコであり、これまでの価格設定に比べると割高です。
たっぷり飲み食いしてひとりあたり6千円ほど。この雰囲気とこの料理のクオリティを考えれば見事な費用対効果です。客層も良く、ワイン片手に語らい合うには最適のお店。
オープンは15時〜であり、18時まではお得すぎるセットも完備。今度は早い時間に来てみようっと。


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1年で10回沖縄を訪れることもあります。1泊15万円の宿から民宿まで幅広く手がけています。
TACが世に出した一風変わった沖縄本。もはやガイドブックではなく参考書の域です。非常に情報量が多く、かつ、うまく整理されており読みやすい。大判ではないので持ち歩きやすいのも素晴らしいです。オールカラーの割に高くない。数多ある沖縄ガイドブックの中では突出した存在です。

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