華風料理 一芳亭 本店(いっぽうてい)/難波

難波の老舗中華料理店であり、「黄色い皮のしゅうまい」で圧倒的な存在感を誇る「華風料理 一芳亭 本店(いっぽうてい)」。グルメブロガーのパイオニアである池波正太郎が「知る人ぞ知る大阪の名店」として高く評価しており、食べログでは百名店に選出されています。本店のコチラは南海難波駅から歩いてすぐ。船場にも姉妹店があり、岸和田には同名の暖簾分け店もあります。
平日の14時過ぎというヘンテコな時間にお邪魔しましたが、それでも店頭には行列が生じており、10分ほど待ちました。テイクアウトはすぐに対応してもらえるのですが、皆「20個入りを10ハコ」みたいな買い方で飛ぶように売れていくのが印象的。なるほど551蓬莱はメジャーになりすぎた感があるので、お土産にするにはコチラのほうが通かもしれません。
お店は2階建てで、トータルでは50席ほどでしょうか。1階にはカウンター席が設けられており、一人客でも気兼ねなく利用できる環境が整っています。平日昼だというのに酒を飲んでる客が多いのが印象的。
私は看板料理の「しゅうまい」と「春巻」の両方を楽しむことができる「春巻定食」を注文。1,100円です。しゅうまい以外にも、若鶏の唐揚げや酢豚、八宝菜、肉だんご、豚天などの定番中華が揃っており、なるほどこれは昼から飲み会を開催したくなるラインナップです。
名物の「しゅうまい」。小麦粉の皮ではなく手製の薄焼き卵の皮で包んでいるのが特長で、これは戦後の物資不足の時代に小麦粉の代用として始まった製法だそう。餡は豚肉・エビ・タマネギなどで、フワフワとエアリーな口当たり。まさに「飲めるしゅうまい」であり、唯一無二の食感です。
「春巻」も変わっていて、よくあるパリパリとした皮のタイプとは異なり、薄焼き玉子の皮で巻かれています。外側はサクッとしつつも卵皮特有のしっとりとした弾力があり、ぎっしりと詰まったタケノコ、椎茸、豚肉との食感のコントラストを楽しみます。
ライスの味わいは一般的な定食屋のそれですが、大中小いずれも同料金で楽しむことができるのが懐に優しい。大だとかなりのボリュームであり、単品でオカズを追加すると丁度良いでしょう。
定食に添えられるこのスープは澄まし汁のような仕上がり。控えめな味付けやタケノコの存在もあって、どこか和食のお椀のような印象を抱きました。
価格が価格なだけに絶頂に達するほど美味しいかと問われると違いますが、この支払金額でこの満足度は見事な費用対効果です。何より「ソウルフード」と呼ばれるものは観光化されて割高となりがちですが、当店は昔と変わらず安くて旨いまま。

ちなみに過去にスタッフが新メニューを提案したところ「いらんことせんでいい、とにかくシュウマイに手をかけろ」という言葉が店主から返ってきたそう。観光客のみならず地元の人々が日常的に列を作る理由がよくわかりました。

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