2026年2月にオープンした「BISTRO YOAKARI(ビストロ ヨアカリ)」。私はずっと「YADOKARI(ヤドカリ)」と間違って覚えていたのですが、漢字で書くと「夜灯(よあかり)」であり、「夜を訪ね、明日を灯す」がコンセプトのようです。場所は恵比寿神社の裏手、宮崎料理の「てにゃわん」と同じビルです。
オープンキッチンが目立つ店内(写真は食べログ公式ページより)。厨房に沿って向けられたカウンター席が7-8席に、テーブル席が数卓。奥には個室もあるようです。スタッフはみな若く感じが良いのですが、デコったネイルがバリバリな方にサーブされるのは衛生面でアレだなと思いました。
ワインは安く、グラスは700円~、ボトルでも3千円台のものがあったと記憶しています。ところで、当店は「牡蠣+白ワインが500円」という奇跡の取り組みがあり、最強のウェルカムドリンク兼アミューズと言えるでしょう。
肝腎の生牡蠣ですが、これがなかなか、いやかなり美味しい。クリーミーな身を一口で頬張れば、濃厚な海のミルクの香りが口いっぱいに広がり、そこにキリっと冷えた白ワインで牡蠣のミネラル感を引き立てます。私が確認した限り、ゲストの全員が注文していましたのも納得です。
サラダは静岡県掛川市の「松下農園」を指名買いだそうで、野菜本来の味の濃さが特長的。とりわけ爽やかな苦味が心地よく、力強い大地の香りがダイレクトに伝わります。絶対注文しような。
こちらは「2週間熟成カンパーニュ」。その名の通り「2週間」という異例の熟成期間を設けているのが最大の特長。味を馴染ませるどころか更に踏み込んだ熟成をかけることで肉のタンパク質が分解され、アミノ酸による強烈な旨味が引き出されています。レバーの風味が支配的で、テクスチャはしっとりと滑らか。時間の経過が生み出す円熟味により、角の取れたまろやかな塩気と甘みが感じられます。
イカと墨 グラタン。真っ黒な見た目の正体はイカ墨を練り込んだベシャメルソース。インパクトのあるビジュアルと、それを上回る重層的な旨味が魅力的。具材もたっぷりで、イカのプリッとした弾力のある食感と、墨特有の磯の香りがクリーミーなソースに溶け込み、隠し味のスパイスやチーズのコクが後を引きます。
メインに「鶏もも肉のコンフィ」を注文。低温のオイルでじっくりと時間をかけて煮込んでいるため、ナイフを入れるとホロリと崩れるほど柔らかく、内側に肉汁をしっかりと閉じ込めています。一方で、仕上げに皮目をパリパリに焼き上げることで、食感の対比が際立っています。
以上を食べ、そこそこ飲んでお会計は7千円ほど。え?なんか安くない?体感的には1万円ぐらい飲み食いしたつもりなのに、この立地でこの費用対効果は魅力的すぎる。アラカルト注文で好きなものを好きなだけ注文できるのも嬉しい。いとしなもん。すぐ近くの「co.flamingo(コフラミンゴ)」にも似た食後感であり、このあたりは妙に佳店が多い気がする。恵比寿神社の御利益かもしれません。
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恵比寿も十番に負けず劣らず良い街ですよね。1度住んで、片っ端から食べ歩いてみたいなあ。よそ者ながら印象に残ったお店は下記の通り。
- ガストロノミー ジョエル ロブション ←やはり最強。季節ごとにお邪魔したい。
- Saucer(ソーセ) ←コッテリしたソースを全面に押し出すスタイル。
- mori(モリ) ←ワンオペの凄腕。
- アーティショー(Artichaut) ←本物のフランス料理。
- ラ メゾン フィニステール(La maison finistere) ←最近のチャラチャラした自称フランス料理とは一線を画す硬派な味わい。
- CarneSio east(カルネジーオ イースト) ←なんて素晴らしい費用対効果なのでしょう。
- 日本料理 四四A2(よしあつ) ←ギャルのLINEみたいな店名だが良き。
- 鳥焼き 小花(とりやき おはな) ←焼鳥屋の範疇を超えた世界での出来事。
- 恵比寿ニューれば屋 ←日本酒を浴びるほど。
- 恵比寿焼肉 ホルモン富士 ←安かろう良かろうという奇跡のお店。
- クンビラ(KHUMBILA) ←スパイスのオーケストラともいうべき複雑な味わいが五感に押し寄せる。








