羽田空港第2ターミナル階の「マーケットプレイス」エリアに位置する「カステルモーラ(CASTELMOLA)」。展望デッキのすぐ横にあるイタリアンレストランです。その他のレストランは凄惨な混み具合でしたが、通過交通に乏しいからか不思議なほど空いていたため、試しにお邪魔してみました。
店内は車椅子やベビーカーでの入店がスムーズに行えるバリアフリー設計となっており、流石は公共性の高い空港施設といったところ。その機能に価値を見出してか子連れのゲストが多く感じました。席数は50-60ほどあり、天候次第でテラス席も開放するそうです。
窓が大きくとられており、東京湾をバックにC滑走路およびD滑走路方面を一望することができ、目前で航空機の離着陸というダイナミックな光景が展開されるため、航空ヲタであれば絶頂に達してしまうかもしれません。
ピッツァセットに付随するスープ。キノコの香りは漂いますが、素材本来の風味というよりは、業務用の食材を感じさせる味覚が支配的です。クリーミーではあるもののコクや深みに欠け、塩分だけで味を整えたような大雑把さを感じました。おまかせ前菜5種盛り合わせ。彩りは綺麗に盛られていますが、ハムなどは冷蔵庫から出してただ並べただけのような冷たさが残り、手作り感や鮮度は感じられません。魚介類などもドレッシングの味で食べる感じです。
パスタにつき、ラグーソースは肉の旨味よりも甘ったるさが目立ちます。パスタの茹で加減も少し伸びたような柔らかい食感。具材として入っている根菜は食感のアクセントにはなっていますが、ソースと味が馴染んでおらず、ただ混ぜただけという印象です。オフィス街の千円パスタランチみたいな味覚です。
パスタセットに付随する2種のパン。程よく冷めており、小麦の香りや酵母の風味といった本格的な要素は期待できません。パン単体としての味わいは乏しいため、あくまでソースを拭うためだけの特長のない炭水化物です。
他の料理が期待外れな中、ピッツァだけは店内の小さな窯で焼いているおかげか、多少はマシな仕上がりでした。生地には適度な焦げ目があり、焼きたての熱々感と香ばしさが食欲を誘います。 具材のベーコンや舞茸自体の質は普通ですが、あめ色玉ねぎの甘みとチーズの塩気、そして窯焼きの熱量で上手くまとまっています。美味しいとまでは言えませんが、この店でオーダーするならピッツァ一択だと思わせる、相対的に満足度の高いひと皿でした。
以上、ピッツァセット・パスタセットそれぞれが3,600円ほどと、流石は空港施設の割高感。いわゆる雰囲気と価格はファミレス以上ですが、味わいであれば「ロイヤルホスト(Royal Host)」のほうが私は好き。あくまで空いている空間を買い、展望デッキと同様の視界を空調の効いた室内で楽しむことに価値を置いて訪れましょう。おつかれさまでした。
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