1840年設立の西オーストラリア最古かつ最大級のワイナリー「Sandalford Wines(サンダルフォード ワインズ)」。この日は醸造所に併設された「Sandalford Restaurant(サンダルフォード レストラン)」にお邪魔しました。レストランは1998年開業と、こちらも充分に老舗です。
食事の前にセラードア(試飲所)で今季のホットトピックを楽しみます。5種類試してひとりあたり12ドルを要するのですが、その場でワインを買えば試飲代は無料となる仕組み。加えてレストラン利用者は10%オフで購入できる特典もあり、けっきょく全部買ってしまうという上手い仕組みです。
ダイニングは内席と外席があり、外席であってもきちんと屋根やブラインドが用意されています。歴史あるブドウ畑を眺めながらの食事は格別。雰囲気はカジュアルで子連れもOK。スタッフの接客も実にフレンドリーです。
試飲でも結構飲んだので、レストランではグラスでお願いしました。1杯15ドル前後のものが多く、150ミリリットルがベースという気前の良い注ぎっぷり。ボトルは思いのほかフランス産のものが用意されており、フランスワインへのオマージュが感じられます。
料理は全てアラカルトで注文しました。こちらはタコの薪焼きで、タコ特有の旨味とスモーキーな香りが引き立ちます。マスカットビネガーのほのかな甘酸っぱさとハーブの風味が加わり、全体を軽やかにまとめます。
こちらは「スナッパーブランダード」。いわゆる魚とジャガイモのペーストであり、自家製のポテトチップスに塗りたくって頂きます。クリーミーでほのかな塩味が効いており、ワインのお供に最適です。
メインは12時間ローストのビーフリブ。柔らかくジューシーで、深い旨味が特長的。添えられたポテトとコールラビのグラタンも印象的な味わいで、肉汁と赤ワインを用いた濃厚なソースも王道の美味しさです。
付け合わせに薪焼きの芽キャベツを注文したのですが、1枚1枚が丁寧にほぐされた真新しい形態で登場しました。薪焼きの香りににほろ苦い芽キャベツの風味がとても良く合う。ツナ風味のクリームソースがコクを加え、これは日本でサラダとして売り出せば流行るかもしれない。
連れはグラスフェッドのフィレを注文。少し交換こしましたが、自然な風味が際立つ逸品で、口当たりは柔らかくジューシー。赤身本来の濃厚な旨味を楽しむことができ、脂身が少なくヘルシーながら、噛むほどに深い味わいが広がります。私の肉料理よりもこっちのほうが旨いじゃないか。
以上を食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり1万円強。スワンバレーというド田舎(失礼)にありながら、これだけの料理と接客をこの価格で提供できるのは見事としか言いようがありません。パース空港から車で15分ほどなので、フライトの前後にスワンバレーを観光し、〆に当館で食事を楽しむのが良いでしょう。

ところで、ヤラバレーでワイナリー巡りした時はどんなだったっけな、と思い立ち「タケマシュラン メルボルン ワイナリー」でググったところ、検索結果のAIが「タケマシュランの記事は、ワイナリーの訪問記録を淡々と記述しており、ワインに興味のない人や、時間に余裕がない人には退屈に感じるかもしれません。」とまあまあ辛辣な評価をしていて草生える。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。