2024年秋にオープンした「Bistro MULAN(ビストロムーラン)」。ビストロを標榜していますが、根本は中国江南地方の料理だそうです。ちなみに私は江南料理が何なのかを知らない。場所は恵比寿駅からガーデンプレイス方面に線路沿いに坂を上ったビル3階。イタリアン「KNOCK(ノック)」と同じ建屋です。
店内は中国の気配をあまり感じさせないモダンな雰囲気。テラス席もあって洒落てます。やはり純然たる中国料理というわけではなく、フレンチのニュアンスも加えているそう。飲み物にもワインが多く用意されています。
私は平日ランチの「豚ばら角煮の梅干菜セット」を注文。1,380円です。セットにはメインディッシュに加え、ゴハンものといくつかの小鉢、スープが付きます。
400円の追加料金で「多彩な野菜と蒸し鶏のサラダ」も注文。サイズこそは大きくありませんが、サイドだからと適当にあしらった気配は微塵もなく、サラダとしてきちんと美味しい。蒸し鶏の旨さは当然として、カボチャやレンコン、アボカドなど、なるほど「多彩な野菜」なのが嬉しいです。主役の「豚ばら角煮の梅干菜」。梅干菜とは、からし菜を塩漬けにして干した中国の伝統的な保存食。強く発酵させているのか、独特の旨味と酸味が印象的で、日本で言うところの古漬け的なニュアンスです。
豚ばら角煮はしっかりと味が染みており、沖縄料理のそれとはまた違ったニュアンスなのが面白い。
ゴハンはタケノコごはんでした。「豚ばら角煮の梅干菜」と違って親しみやすい味覚であり、実家のオカンの料理を食べているかのようです。小鉢はタケノコとレンコンと梅干菜。ちょっと味わいの方向性が丸被りしてしまったので、他のメニュー、例えば「鶏とポルチーニのクリーム煮」などをメインとして選んだ方が多彩な味覚を楽しめたかもしれません。
スープはカツオ出汁をベースとしたお澄ましのような味覚。タケノコごはんとスープについては、ビストロや江南料理というよりも、和食に近い仕上がりです。
以上を食べて2千円弱。梅干菜という馴染みの無い料理を味わうことができ、追加でサラダも注文してこの支払金額はリーズナブル。麻婆豆腐や油淋鶏のセットだと千円で済むと言うのは、このあたりの相場からすれば破格と言えるのではないでしょうか。次回は夜にお邪魔し、自慢の「江南料理」をアラカルトで色々試してみたいと思います。
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