2023年7月のオープンから快進撃を続け、今や3回転は当たり前となった「魚ト日本酒あたらよ」。店名の通り魚介料理と日本酒が自慢の居酒屋で、食べログでは百名店に選出されています。
なのですが、グーグルマップの評価は異常に低い。評価の低い口コミから読んでいくと、「香水をつけているからといって追い出された」「グループで少し賑やかにしただけで注意された」といった記述が多く、いやそれは別に当然の客層管理でしょというお気持ちです。寧ろ「酒井商会(さかいしょうかい)」のように意識高い系に見せかけておきながら実態が伴っていない店に比べると、よほど誠実に私は感じました。店内は厨房を取り囲むカウンターが中心で、テーブル席もいくつか用意されています(写真は食べログ公式ページより)。女子ひとり客も普通に行く開かれたお店。スタッフは皆、普通に感じ良く、グーグルマップの口コミは嫉妬に駆られた同業者からの嫌がらせのような気がしてきました。
日本酒は全国各地の銘酒を取り揃えており、いずれも1合1,200~1,500円といったところ。ビールやサワー、焼酎類も用意されており、居酒屋らしいラインナップです。
お通しは濃厚な豆腐にこれまた濃厚なゴマダレ(?)をかけたもの。美味しいのでもっと量を増やして欲しい。自慢の「あたりよお任せ刺盛」。日本酒と同様、全国各地の魚を取り寄せており、この日は特にヒラマサが良かった。醤油だけでなく色んなフレーバーで楽しむように設計されており、色々食べることができて楽しい。
茄子の煮浸し。茄子を素揚げしジューシーな食感と甘みを引き出しつつ、冷たい出汁に浸すことで、旨味が染み込み、さっぱりとした味わいに。
ホタルイカとアスパラの酢味噌和え。ホタルイカの濃厚な旨味と、アスパラのシャキッとした歯応えが良く合います。彩りも鮮やかで、目と舌を同時に喜ばせる逸品です。
海老詰めシイタケの天ぷら。海老のプリプリ感とシイタケの肉厚な歯ごたえが渾然一体となって広がります。噛むほどに海老の甘みとシイタケの香りが融合する。ビールでも日本酒でもイケる。
アジフライは特大サイズで、揚げてしまうのが勿体ないほど上質なもの。でも揚げちゃう。サクサクの衣とタルタルソースの酸味がアジの旨味を引き立てます。揚げ里芋のカニあんかけ。ほっくりとろける里芋とカニの旨味が織りなす贅沢なひと品。外はカリッ、中はねっとりした里芋が、熱々のカニあんかけによく絡む。これは旨い。高級割烹に比肩する味わいです。
あら汁。先のヒラマサのアラがたっぷりと入っており、思いのほか可食部が多い。コッテコテの味噌味を含め、名古屋らしいひと品です。〆にカツオの藁焼きチャーハン。パラパラのチャーハンに芳醇な香りと濃厚な味わいのカツオの風味が絡み、香ばしさと旨味が爆発。カツオながらチャーシューに匹敵する存在感を愉しみました。
以上を食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり1万円。上質な魚介系の創作料理をたっぷりと楽しんでこの支払金額はリーズナブル。少量で色々と注文できるので、女子ウケも良さそう。グーグルマップの悪評はデマに近いものなので気にせずに予約を入れましょう。

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