恵比寿駅から渋谷方面へ10分ほど歩いた場所にある「ノマド(nomad)」。コンセプトに「現代の自遊人(ノマド)のための居心地の良いくつろぎ空間」とあり、一昔前の今風だよなあと敬遠していましたが、縁あってお邪魔する運びとなりました。興味深いカレー屋さん「GOOD LUCK CURRY(グッドラックカリー)」のすぐ近くです。
店内はテーブル席が中心にカウンター席と個室が用意されており、トータルでは20席ほどでしょうか(写真は食べログ公式ページより)。天井が高く採光も良く、広末涼子のように開放的な雰囲気です。
宮崎勝仁シェフは大阪の「ポンテ ベッキオ(PONTE VECCHIO)」で経験を積んだのち、イタリアで腕を磨いたようです。
1,999円のランチセットをお願いしたのですが、かなり立派なサラダが登場しました。シャキッと新鮮な鎌倉野菜を用いており、ほどよく苦味がきいて大人の味わい。大山鶏も添えられており、ランチセットのサラダとしては最高峰の味覚でしょう。
スープは新玉ねぎとジャガイモのポタージュで、それだけで美味しいのに生ハムやリコッタチーズで風味付けし、揚げたフリットでアクセントを加えるなど、やはりランチセットのスープとしては最高峰の味覚です。
ちょっとしたツマミも出てきます。いずれも凝った味覚であり、この後の予定が無ければワインを注文していたところです。ちょっとしたツマミ、続く。1,999円のランチセットのオマケでこんなに豪華なフィンガーフードが出て来るだなんて予見不可能。こんなことなら最初から酒を注文しておけば良かった。人生は後悔の連続だ。
パスタは豊後牛のマエスネのラグーをチョイス。上等な牛肉がじっくりと煮込まれており、旨味が凝縮されています。肉そのものの量もたっぷりで、四捨五入すると肉料理かもしれません。ちなみにコース料理だと手打ちのパスタが楽しめることができる模様。ああ、最初からコースにしてワインも頼んでおけば良かった。人生は後悔の連続だ。
自家製のフォカッチャも付きます。先のお肉を少し残してパンと一緒に頬張る。もうこれだけで立派なひと品です。
以上の「Bセット」が驚きの1,999円。何これ世界滅びるの?一体この費用対効果の良さはどこから来るのでしょうか。こうなってくると俄然ディナータイムの運用が気になってくる。「ノマド(nomad)」という語感から何となく敬遠していた自分の選球眼の無さを恨む日々が暫く続きそうです。次回は絶対に手打ちパスタを食べるんだ。

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