ビストロオーズ (BISTRO O'z)/中目黒

中目黒駅すぐ近く、中目黒GTの真裏に位置する「ビストロオーズ (BISTRO O'z)」。2012年に開業したカジュアルなフランス料理店であり、ネット上で当店の悪口を見かけたことが無いほど皆に愛されています。
店内はキッチンに面したカウンター席にテーブル席がいくつか。トータルでは20席ほどでしょうか、カジュアルながらも落ち着いた雰囲気。シェフ・サービス共に妙に色気があるイケオジで、そのまま「グランメゾン東京」で俳優として活躍できそうな勢いです。
酒は安く、グラスワインは千円を余裕で切り、ボトルワインも3千円台から始まります。旧世界に留まらず世界中から手頃なものを集めており、予算を気にせずジャンジャン飲めるのが素晴らしい。
前菜盛り合わせは6種類の前菜から好みの4種を選ぶことができ、それこそグランメゾンのアミューズに匹敵するほどクオリティが高い。中でも「クリームチーズと奈良漬けの季節のマカロン」は、甘くない食事としてのマカロンという遊び心あふれる脱構築の好例と言えるでしょう。
シェフのおまかせサラダ。新鮮な季節の野菜を中心に生ハムをあしらったものであり、その生ハム量が中々のもので、自然とワインが進みます。ハーブ由来か程よく苦味も聞いており、シェフの外観に沿ったダンディーなサラダと言えるでしょう。
牛ハラミの炙りをカルパッチョ風に。表面を香ばしく炙った牛ハラミはしっとりとした食感で、噛むほどに力強い肉の旨味と甘みを楽しむk十ができます。ソースには雲丹と卵黄を用いており濃厚でクリーミー。樽の効いたシャルドネが良く合う。
サーモンとホウレン草のキッシュ。濃厚なサーモンの旨味とホウレン草のほのかな苦みが調和したひと品です。サクサクのパイ生地にフンワリとした卵とクリームの生地が包み込む。サーモンの塩気と脂の甘みが酒を呼びます。
ゴルゴンゾーラを詰めた神戸牛の爆弾ハンバーグ。なんて魅力的なネーミングでしょうか、神戸牛のジューシーな旨味が詰まったハンバーグはふっくらと焼き上げられ、ナイフを入れるとゴルゴンゾーラの濃厚なチーズがとろけ出します。ゴルゴンゾーラのピリッとした塩気と芳醇な香りが、鮮烈なアクセントとして加わり、神戸牛の甘みを上手く引き立てる。豪快で贅沢な逸品です。
〆に「ゴルゴンゾーラのクリームパスタ」も注文。もちもちのパスタにゴルゴンゾーラを贅沢に溶かしたソースがたっぷりと絡みつきます。ゴルゴンゾーラ特有のピリッとした刺激と芳醇な香りをたっぷりの生クリームが優しく包み込み、実に濃厚な味わい。挽きたての黒胡椒が全体の輪郭をキリリと引き締めるのも凄くいい。
以上を食べ、ジャンジャン飲んでお会計はひとりあたり1万円を切りました。ワオ!素晴らしい!冒頭に「ネット上で当店の悪口を見かけたことが無い」と記しましたが、やはりこの店を悪く言う人はこの世に存在しないんじゃないかと再確認できたディナーでした。目黒の「fours(フー)」にも通づる素晴らしい食後感。近所にあれば毎日でも通いたいほどです。

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