富山駅から歩いて4-5分の「すし 琉之輔(りゅうのすけ)」。結論から述べると1,500円で素晴らしい鮨を堪能することのできるブロボーなお店なのですが、夜の店が支配的な雑居ビル2階のテナントのため、観光客に見つかりづらいのでしょう。穴場中の穴場です。
店内は思いのほか広く、カウンターに7-8席と、その」両翼に個室のお座敷があります。平日のお昼時にお邪魔したため、ゲストの殆どは近所のリーマンであり、13時が近づくと一気に空き始めます。
私は「日替わりランチ」を注文。にぎり8カンに茶碗蒸しとお椀が付いて1,500円です。怖いか?富山の鮨に懸ける情熱が。にぎりはその日の手軽で美味しいものを選りすぐってくれているようで、白エビやノドグロなど、ぽい食材を無理に組み込もうとしないからこその価格設定でしょう。とは言えタネの質は素晴らしく新鮮で、東京の客単価数万円の鮨屋に比肩するクオリティです。
シャリは硬めでやや褐色がかっており、メリハリのある味わい。客が自ら醤油に浸すことを前提とせず、提供の直前に刷毛でひと塗りされる煮切り醤油も実にエレガント。
茶碗蒸しも付きます。熱の入れ方は控えめで、お出汁と卵液が程よく半液状に仕上がっています。
お椀はランチセットのオマケという位置づけでは決してなく、たっぷりのシジミが加えられ、私の肝臓に優しい。前夜は地元の有力者と(富山の)桜木町で飲み明かし二日酔いに苛まれていたため、涙が出るほど美味しく感じました。
素晴らしいランチでした。体調が万全であれば1,000円の「ばらちらし」も追加注文したほどです。富山駅周辺には情弱な観光客をソフトターゲットとした回転寿司屋が乱立していますが、それらは全て無視して当店に直行しましょう。この調子だとディナーも素晴らしいはずなので、次回は夜にお邪魔したいと思います。

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富山は食の宝庫。天然の生け簀である富山湾にジビエや山菜が豊富な山々、そして米と水。レストランのレベルは非常に高く、支払金額は東京の3割引~半額の印象です。だいぶ調子に乗ってきた金沢が嫌な方は是非とも富山に。
- 鮨 大門 ←銀座の半額で味と居心地の良さはそれ以上。
- 海老亭別館(えびていべっかん) ←多皿なのにモブキャラがひとつもない。
- ふじ居(ふじい) ←非の打ち所がない日本料理店。
- 美乃鮨(みのずし) ←最も幸せパワーが発揮される価格帯。
- 吟魚のはなれ 吟チロリ(ぎんちろり) ←海鮮居酒屋の最高峰。
- ピアット スズキ チンクエ(Piatto Suzuki Cinque) ←青は藍より出でて藍より青し。
- ランソレイエ(Lensoleiller) ←フランスの田舎のレストランをそのまま持ってきたような感性。
- カーヴ ユノキ(Cave Yunoki) ←料理のほとんどを富山の食材で勝負しているのが素晴らしい。
- 日本料理 山崎 ←ミシュラン3ツ星和食がこの価格で楽しめるのは富山の奇跡。
- 天ぷら小泉 たかの ←富山駅から近く昼も夜も空いているのが旅行者にとっても便利。
- KAWAZ(カワズ) ←「レヴォ(L'evo)」でスーシェフだったムッシュ川崎淳が富山市内で開業。
- レヴォ(L'evo) ←クマがぶらさがっている。
- パティスリー ジラフ(PATISSERIE LA GIRAFE) ←サロショを席巻する予感。
待機児童ゼロ、結婚した女性の離職率の低さ、貧困の少なさ、公教育の水準の高さなど、日本型の「北欧社会」が富山県にはあると分析する1冊。10年間にわたって富山県でのフィールドワークを続けてきた財政学者の視点が興味深い。