Kailis Fish Market Cafe(カイリス フィッシュ マーケット カフェ)/フリーマントル(オーストラリア)

パースの外港であるフリーマントル。ワインに詳しい方なら、フリーマントル・ドクターと呼ばれる涼しい海風を思い浮かべるでしょう。この風は夏の暑さを和らげ、ブドウの熟成を穏やかに進め、果実の酸味と風味を保つ効果があります。
この日は港町フリーマントルの人気レストラン「Kailis Fish Market Cafe(カイリス・フィッシュ・マーケット・カフェ)」を訪れました。Kailis家は100年近くにわたって西オーストラリアのシーフード業界のドンとして名を馳せています。
ひとつの店舗ながら海産物に限定した巨大フードコートのような空間。揚げコーナーや焼きコーナー、酒コーナーなどいくつかのエリアに分かれており、好きな料理を注文し、ブルブル震える番号札を渡され、ブルブルしたらセルフで取りに行くという仕組みです。テラス席もありかなりの大箱なのですが、人気の観光スポットでもあるので、念のためネットから予約して訪れると良いでしょう。
アルコールも地元のワインやビールが取り揃えられており、いずれも1杯10ドル弱と良心的な価格設定。オーストラリアはド観光地であっても常識的な価格設定、かつ、きちんと品質が保たれているのが素晴らしいですね。その点、日本人はリピーターとならない観光客に対して非人道的な価格設定を行いがちです。
盛り合わせプレート的なもの。定番のフィッシュ&チップスにイカ・エビ・ホタテのフライ、サラダにムール貝の煮込みが付随します。これだけ盛り込んで6千円程度なのは大変お値打ち。ディズニーシーで注文すれば2万円ぐらい請求されそうです。    
魚もイカもエビも美味しいのですが、とりわけホタテが素晴らしいですね。クリスピーな衣と肉厚でジューシーな食感が後を引く美味しさで、地元の白ワインに良く合います。
スペシャリテの「シーフードチャウダー」。定番のサワーブレッドボウルで提供され、磯の香りが実に濃厚。とにかく具だくさんで、見た目も味も実にパワフル。
こちらはパース名物の「チリマッスル」。ムール貝をトマトソースで煮込んだもので、程よくスパイスも効いており、辛すぎず貝の甘みが引き立ちます。残ったソースとチップス(フレンチフライ)を合わせると無限に食べ続けることができます。
観光地バリバリのレストランで大したことはないだろうと斜に構えてお邪魔しましたが、思いのほか楽しく、美味しく、リーズナブルなレストランでした。
グーグルマップの口コミにはそれなりに酷評が並び、訪問前は不安な気持ちにもなりましたが、人気者にはアンチも一定数は存在すると割り切って訪れましょう。食前食後は散歩がてら「Gage Roads Brew Co(ゲージロードブルワリー)」のクラフトビールを是非どうぞ。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。