楽天皇朝(Paradise Dynasty)/東涌(香港)

東涌(Tung Chung)の「Citygate Outlets」という巨大アウトレットモール内にある人気中華チェーン店「楽天皇朝(Paradise Dynasty)」。発祥はシンガポールであり、香港一円はもちろん銀座や京都にも展開しています。
店内は明るくキレイにしているのですが、いかんせん子連れ客が殆どなので、フードコートのような雰囲気。ワイワイガヤガヤと騒がしく、私も自然と声を張るようになってしまい、なるほど中国人はこうして声が大きくなっていくのかと得心しました。
着席と同時にポットでプーアル茶が供されます。香港では食事と酒を切り離して考える方が多く、子供たちがジュースを注文することはあっても大人がアルコールを注文している様子は見受けられませんでした。日本における「アルコールを注文してもらわないと商売が成り立たない」というムーブメントは一体どういうことだろう。
お通し?にピーナッツと栗を煮たものが出てきました。けっこう甘く、アミューズとして食べるにはクドい。食中のお口直しという位置づけなのかなあ。正しい使い方を見出せませんでした。
四季豆(インゲン)を炒めたもの。じっくりと油で炒め、水分を飛ばして表面に少し焦げ目がつく状態に仕上げており、風味が凝縮しています。豚ひき肉や謎調味料も組み込まれ、後を引く美味しさです。
看板メニューの小籠包。皮は破れにくくも非常に薄く仕上げられており、この繊細な皮の中に豚肉から作られた餡と、旨味が凝縮されたコラーゲン豊富な熱々のスープがたっぷりと包まれています。奇をてらわない王道の美味しさです。
こちらは野菜と豚肉の餡を包んだワンタンで、濃厚な豚骨スープで楽しみます。野菜のシャキシャキとした食感と豚肉の旨味がツルリとした滑らかなワンタンの皮の中で調和しており、また、白濁した豚骨スープからは深いコクが感じられ実にリッチです。
こちらは焼きそば。手打ち麺を用いたもので、豚の細切り肉やキクラゲを具材としています。素材そのものは悪くないのですが、ちょっと調味が足りないですね。うまいまずいは塩加減。卓上にあったややこしいラー油をたっぷりかけると、息を吹き返したように突然美味しくなりました。
以上の料理を2人でシェアして総額は6-7千円といったところ。雰囲気はカジュアルですが日本のホテル中華に比肩するクオリティであり、土産土法しか勝たんという結論に至りました。多言語対応のQRコードからの注文なので旅行者でも安心。空港前泊のディナーに是非どうぞ。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。