焼き鳥とお酒 鳥拓(とりたく)/久茂地(那覇)

1号店・2号店と成功を収めてきた「焼き鳥とお酒 鳥拓(とりたく)」。この日は美栄橋駅近くの久茂地店にお邪魔することにしました。軒先にあるドデカい鶏の絵が目印です。
屋根が高くスタイリッシュな内装で、焼鳥屋というよりもバーのような誂えです。1号店・2号店は日本酒が自慢ですが、当店は焼酎を主力に据えており、壁一面に並ぶ焼酎のボトルがその自信を物語っています。
オリオンの中瓶が750円と、このあたりの相場通りといったところでしょうか。日本酒は1合千円強~、自慢の焼酎はグラスで600円程度と親しみやすい価格設定です。
鳥拓系列はいずれも500円の席料を要するのですが、きちんとしたお通しが出るので納得感があります。この日は鶏の鍋といったスタイルで、澄んだお出汁が鶏肉本来の旨さを際立たせます。奥にあるのは鬼おろし。
青菜と木の子のお浸し。キレイな味わいの出汁が青菜のシャキシャキとした食感と瑞々しい風味を優しく包み込みます。当店は焼鳥だけでなく、こういった和のツマミまで幅広く用意されているのが嬉しい。
博多地鶏のたたき。しっかり目に火が入っており、皮目がバリっと香ばしい。博多地鶏特有の力強い歯ごたえと、凝縮された濃厚な旨味とコクが心地よく、噛むほどに奥深い味わいです。
ここからは1,380円の「おまかせ串5本」をお願いしました。まずはササミ。程よくレアでサラリとした口当たりです。
ネギマ。一般的なネギマの外観と異なり、皮つきの鶏肉(モモ?)でネギをくるりと巻き込んでいます。表面はカリっと内部はしっとりネギはジュワっと食感のグラデーションを楽しむことができ、ありそうでない串焼きのスタイルです。
久米島の赤鶏。引き締まった身の力強い歯ごたえと、噛むほどに溢れる上質な旨味が特長的。添えられた新潟名産の発酵香辛料「かんずり」が、爽やかな柚子の香りとまろやかな辛味、そして深いコクをプラスします。
久米島の赤鶏のモモ肉。弾力のある食感で、凝縮された鶏本来の濃厚な旨味と、上質な脂の甘みがじゅわっと口の中に広がります。塩焼きで素材の味そのものを楽しむことができるのがとても良い。
鳥拓のスペシャリテ「塩つくね」。単なるミンチ肉ではなく、レンコンや軟骨も組み込まれており、多彩な食感を楽しむことができます。調味は軽く塩といった程度であり、タレや玉子で味覚を誤魔化すことなく、肉そのものの味わいで勝負します。
〆に「鶏カツサンド」。モモかムネかを選択することができたので、前者でお願いしました。サクサクの衣は軽やかで、モモ肉ならではの弾力との対比を楽しむことができます。それらをふんわりとした食パンで挟み全体の味わいをまろやかに。トンカツのカツサンドとはまた違った魅力があるひと品です。
以上を食べ、軽く飲んでお会計は6千円。東京のちょづいた焼鳥屋であれば万越え必至のクオリティです。赤ちょうちん系と違って落ち着いた雰囲気であり、串焼き以外の料理も充実。純粋な焼鳥屋というよりは、気の利いた鶏料理屋として接すると良いかもしれません。デートにピッタリだ。

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