チャーリー多幸寿 本店(チャーリー タコス)/コザ(沖縄市)

沖縄で最初のタコス店として1956年3月に創業した「チャーリー多幸寿(チャーリータコス)」。米軍統治下の時代にドル紙幣が流通していた頃からコザのパークアベニュー通りで営業を続けており、店内には当時の「Aサイン(米軍関連の許可証)」が飾られています。沖縄の食文化史を象徴するスポットとしても知られており、食べログでは百名店に選出。ちなみにWOWOWの社会派ドラマ「フェンス」の舞台はこのあたりです。
控えめな照明とステンドグラスが、まるで昔ながらの喫茶店のような落ち着いた雰囲気を醸し出しています。私は週末の12時過ぎに訪れ20分近く待ちましたが、長っ尻するゲストは少なく回転は良いためストレスは感じません。「先に席を確保するのではなく、まずレジカウンターに並び、注文と支払いを済ませてから席に着く」という、スタバとは真逆の運用です。
注文はオリオンビールにタコス3ピース、オニオンリングにチャーリーライス。合計で2,500円ぐらいだったかな。セットもののドリンクはプラス300円でオリオンビールに変更できるのがポイントです。
タコスはビーフ・チキン・ツナの3種類を組み合わせるのが定番です。トルティーヤが変わっていて、トウモロコシ粉でパリッとした食感を、小麦粉でもっちり感を生み出しています。これは創業者のムッシュ勝田直志(愛称:チャーリー)が、アメリカ式の硬いタコスの皮はバリバリと硬く食べにくいと感じていたことに由来するそう。また具材を色々と用意しているのも、コザには多国籍の外国人が暮らしており宗教上の理由で牛肉を食べられない人々もいたからだそうです。
こちらも看板メニューの「チャーリーライス」。いわゆるタコライスで、ゴハンの上にタコミート、レタスにトマト、2種のチーズをトッピング。ソースは「スパイシー」「ミックス」「マイルド」の3種類から選ぶことができ、今回は「スパイシー」を選択。思いの外しっかりと辛かったので、お子様連れは気を付けましょう。
オニオンリングは、まあ、普通のオニオンリングですね。まずくはありませんが、うまくもない。当店で敢えて注文する必然性は感じられませんでした。
かつて那覇の国際通りにあった支店で試した際はパっとしない印象だったのですが、今回は「あれ?こんなに美味しかったっけ?」と困惑しました。なるほど観光客だけでなく地元の家族連れなどにも根強く人気があるのも納得。「キングタコス 金武本店(KING TACOS)」と共に、沖縄のソウルフードを語る上では外せない必修科目です。コザにお越しになった際には是非どうぞ。

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沖縄通を気取るなら必ず読んでおくべき、大迫力の一冊。米軍統治時代は決して歴史のお話ではなく、今の今まで地続きで繋がっていることが良くます。米軍の倉庫からかっぱらいを続ける悪ガキたちが警官になり、教師になり、ヤクザになり、そしてテロリストへ。沖縄戦後史の重要な事件を織り交ぜながら展開する圧巻のストーリー構成。オススメです。