新大久保と言えば韓国料理ですが、「サムスンネ」は「合鴨肉専門店」という珍しい業態。私は韓国料理に詳しくないので韓国人がどの程度、合鴨を食べるのか存じ上げないのですが、当店は直営の合鴨農場から肉を直送しているという気合の入れよう。新大久保駅からは歩いて7-8分です。
17時という早い時間に予約ナシでお邪魔したところ、女将さんから「18:30までならOK」とのお許しを頂きました。そう、当店はチャキチャキのオモニ(お母さん)が場を回すことで有名であり、すぐにでも飴ちゃんをくれそうな大阪のオバチャン風。私は仲良くできるタイプなのですが、好みは分かれる接客スタイルかもしれません。
せっかくなのでビールは韓国の「TERRA(テラ)」を注文。韓国ビール市場の「薄味で軽い」という従来のイメージを変えることを目指した製品であり、しっかりとしたコクを感じるラガータイプです。
オモニに初めてお邪魔する旨を伝えると「ほんだら全部ウチに任しとき!」と、彼女の勧めるがままに全て注文。こちらは鴨肉を燻製したもの(?)で、仄かに温かく、スモーキーな風味がビールを呼びます。ちなみに彼女の発言は大阪弁というわけではありません。雰囲気です。
韓国料理店らしくパンチャンも付いてきます。注文したメイン料理に付いてくる無料(というか込み料金)の小皿料理であり、野菜中心の発酵食品が主力です。ちなみに写真左下のスライスされた大根は恐らく甘酢漬けであり、「鴨肉が焼けるまで手を付けるな」と強く戒められます。サンチュ代わりにコチラで焼けた鴨肉を巻いて楽しむという寸法です。
合鴨の塩焼き。様々な部位があり、全てオモニがええ感じに焼いてくれます。イケメンが焼いてくれるイマドキの焼肉とは一線を画す姿勢。私が手を出そうとすると怒られる勢いです。ロースやモモは想定通りの味わいでしたが、カリカリに揚げ焼きしてくれた皮の部分が心に残りました。
こちらは鴨のエキスが溶け込んだ麺料理。恐らくは磨り潰したピーナッツを土台としており、白胡麻担々麺のようなニュアンスが感じられます。「これは麺じゃなくてスープが主役!コラーゲン!」と彼女が主張するので、1滴も余すところなく食べ尽くしました。こちらは海鮮チヂミ。普通に美味しいのですが、いま貴方が想像している通りの味わいであり、当店らしさは感じられません。やはり合鴨肉を食べるべきお店なのでしょう。
以上を2人で食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり6千円ほど。ある意味では垂直統合によって品質管理されたファーム・トゥ・テーブル型のレストランであり、山ほど合鴨を食べてこの支払金額で済むのだから良心的。夏季限定の豆を使った冷麺(?)も自慢とのことだったので、次回は夏にお邪魔したいと思います。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。









