ハイアット リージェンシー 大阪(Hyatt Regency Osaka)/南港

1994年に開業し、30周年も目前となった「ハイアット リージェンシー 大阪(Hyatt Regency Osaka)」。南港エリアに位置し、「大阪府咲洲庁舎」や「インテックス大阪」などの近く。東京で言うと有明のビッグサイトとかあの辺をイメージしてください。大阪の中心部から電車で30分近くを要する不便な立地なのですが、JR大阪駅から無料のシャトルバス(所要時間25分)がチョイチョイ出ています。
年末年始の繁忙期に訪れたのでフロントは大行列。コロナ禍で480室という大箱をこれだけ稼働させるのは大したものです。私はグローバリスト(ハイアットの上級会員)様なので28階のクラブラウンジで悠々チェックイン、のはずでしたが、応対してくれたスタッフが日本語すら覚束ないポンコツで、けっきょく後から色んな所に私自身で確認の電話を入れ、仕舞いには改めてフロントと協議する必要が生じ、かなり心が閉じました。もちろん当該ポンコツが悪いわけではなく、このような配員をした上長に全ての責任があります。
我々は「リージェンシークラブプレミアツイン」にご案内頂けました。80平米の角部屋でとにかく広い。あまりに広すぎて寒いぐらいです。
大きなベッドはもちろんのこと、リビングスペースまで有しています。なのですが、全体的に古臭いという何というか、アップデートされていない感が強いです。ソファもあるにはあるのですが、座り心地は決して良いとは言えません。
丸テーブルの団らんスペースもあり、ちょっとした家族であっても住めそうです。ちなみに私はアーバンでスタイリッシュなヤンエグなので、どちらかというとPC作業のし易いライティングデスクのほうが嬉しかった。クリスマスの時期だったので、ホテルのご厚意でシュトーレンを頂きました。
回線速度は中々のもの。タブレットで動画を流しっぱなしにしても、およそストレスというものを感じたことはありませんでした。
ミニバーは激ショボですねえ。ビジネスホテルのティーバッグほどしか用意されておらず、コーヒーなどあろうことかインスタントの粉末タイプです。ハイアット系でネスプレッソなどのコーヒーマシンが無いのは珍しい。
ウェットエリアも果てしなく広く、スカッシュ大会でも開催できそうなほどです。バスタブの窓からは大阪湾を望むことができ、しずかちゃん歓喜な誂えでしょう。
ところで広いのは広いで正義なのですが、シャワールームからバスタブまでが数メートル離れており、その間の移動は風雲たけし城の龍神池が如く足ふきマットを辿っていかなければなりません。トイレも独立型と見せかけて広いバスルームの一部であり、「パークハイアット東京」「グランドハイアット福岡」など古いハイアット・古いホテルの設計はどうしてこうなのでしょうか。
アメニティはハイアットリージェンシー系列おなじみのファーマコピアです。
化粧台からウォークインクローゼットに至るスペースもめちゃんこ広い。持ってきた荷物を無造作にブワーって広げることができるのは凄くいいですね。
カクテルタイムとなったので、28階の「リージェンシークラブラウンジ」へと向かいます。当館にはかなり広めのクラブラウンジが用意されており、クラブフロア滞在者は自由に出入りすることができます。
年末年始休暇の時期のためか家族連れが支配的であり、ショッピングモールのフードコート状態です。「ハイアットリージェンシー 瀬良垣アイランド沖縄」のクラブラウンジの客層の悪さも中々のものでしたが、当館のそれはその更に上を行くゲットーっぷりでした。いい大人がアディダスのジャージでこういう空間に来るんじゃない。
食事のクオリティは航空会社の国際線ビジネスクラスラウンジ以上、ファーストクラスラウンジ以下といったとこでしょうか。串カツや牛どて煮などが用意されているのはテロワールが感じられ好感が持てますが、用意されているワインが酒屋で千円程度のものというのは言語道断でしょう。
クラブラウンジと称しながら子供たちは大声で駆け回り、ジャージ姿のお父ちゃんは飲み放題だから飲まなきゃソンソンとばかりに酔いつぶれる。ちょっともう、ハイアットのことが少しだけ嫌いになりました。

もっと言うと、クラブラウンジなどという虚仮威しの概念自体がオワコンで、「ハイアットリージェンシー京都」のように、そもそもクラブラウンジなど設置しないほうが正解のような気すらしてきました。今回私は当館に1週間近く滞在しましたが、不愉快すぎてこの1度きりしかクラブラウンジには立ち入っていません。全く何のためのクラブラウンジなんだか。

ただし、犯人は当館の従業員というよりは、運営会社の「ハイアット ホテルズ アンド リゾーツ(Hyatt Hotels and Resorts)」に非があるような気がします。

いわゆるホテルグループにおいて、同一ブランドであれば同程度のクオリティが保証されてるものと考えるものですが、ハイアットに限っては格がバランバランで、例えば当館と「ハイアットリージェンシー京都」の品質は雲泥の差なんですよね。

もちろん各ハイアットリージェンシーにおいて支払金額もまちまちで、例えば当館やハイアットリージェンシー東京・横浜那覇は1泊2万円程度、京都や瀬良垣は4万円、箱根に至っては5~6万円を要し、ある意味では支払金額にクオリティが比例しています。であれば消費者の誤認を誘うのでブランドを分けて欲しい。

話をもっとややこしくすると、「パークハイアット」はハイアット系の最高峰ブランドと一般に認知されていますが、「パークハイアット東京」ならびに「パークハイアットニセコ」についてはそれほど高くなく、何なら「ハイアットリージェンシー箱根」のほうが高いくらいです。一方で「パークハイアット京都」は1泊10万円オーバーは当たり前でめちゃんこ高い。
こういったローカルルールは普通の消費者は理解しておらず、何も知らない外国人などがインテックスでの見本市ついでに当館に滞在した際に、クラブラウンジで子供が奇声をあげながら走り回っていて困惑するのではなかろうか。いま一度、各ハイアットのブランドを整理して欲しいなと強く思った滞在でした。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

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