陽明殿(ようめいでん)/芝公園

ザ・プリンス パークタワー東京は、あまりメジャーなホテルという印象がありませんが、けっこう隠れ家として使えるレストランが揃っています。フレンチであればブリーズ・ヴェール、バーであればステラガーデン、日本料理なら芝桜、鮨なら濱芝、天ぷらなら天芝
今回は中華料理である陽明殿(ようめいでん)にお邪魔しました。が、50人を超える団体客がホールを占拠しており、何と我々もそれと同じ空間の隅っこに案内されるのです。しかもただの団体客ではなく、ヒップホップ系というかクロムハーツ的というか、ジャージにジャラジャラとアクセサリーをさげ帽子をナナメに被る雰囲気のグループであり、女性の靴はプラットフォーム、その喧騒は賑やかを通り越して耳を圧するばかりである。
連れとグラスワインを合わせるのですが、「はーい!それじゃ皆さんカンパーイ!」「あー、荷物そこにまとめて置いといて~!」のように、まるで他人の結婚式の2次会に放り込まれたかのような居心地の悪さ。席を立ってあっちのテーブルに行ったりこっちのテーブルに来たりと離合集散を繰り返し落ち着かないことこの上ない。私は高級ホテルのダイニングで落ち着いた食事を楽しみに来たのに、です。
これはいくらなんでもあんまりだ、とスタッフに異議申し立てすると、「予約でいっぱいなので」とにべもない。このまま帰ってしまおうと荷物をまとめると、「では、あちらのカーテンで仕切られた個室であればご案内できます」ということで、席の移動が認められました。とは言え宴会場とはカーテンで仕切られているだけであり、ワイワイガヤガヤとした賑わいのデシベルは変わらず。
前菜盛り合わせ。器に入ったのはジャガイモ(?)とポロネギのポタージュであり、フランス料理のような味わいで美味。鴨とアプリコットを合わせて食べたり、チャーシューを2種食べ比べたりと意欲的なランチです。ううむ、食事がこれだけ美味しいというのにあの予約の取り方はどう考えてもバックオフィスのボーンヘッドです。料理人が可哀そうだ。
点心2種は焼売に海老ギョーザ。こちらはあまり特徴がなく、可もなく不可もなくといったところ。
鶏肉とカシューナッツの炒め。期待以上にカシューナッツが多く、ザクザクと食べ応えがあります。また、ギンナンが気前よくたっぷり入っており、ホクホクとした食感で実に旨い。ネギも新鮮でシャキシャキとしており、街の中華料理屋とは一線を画した味わいです。
フカヒレ入りつゆそば。テカテカと光り輝くスープ。ぐわーコレはめっちゃんこ美味しいですね。おそらく動物系のスープですが、味濃いめでパンチが強く、ぬらぬらとゼラチンを感じるセクシーな味わい。ひとめぼれに近い興奮を楽しみました。他方、麺は至って凡庸。スープを楽しむための1杯です。2019年最初の麺活でありながら、今年トップクラスであることは当選確実。今度はこれだけをフルサイズで食べに来ようっと。
きちんとした中華料理屋において、杏仁豆腐はトロトロであることが多いのですが、当店はカチっとやや硬い芸風です。梨のソースの品の良い甘さがグッド。
ジャスミン茶で〆てごちそうさまでした。

兎にも角にも団体客の存在ですね。どう考えても賑やかになることが予見できるというのに無理に一般客を同席させた店側に罪があります。もっと言うと、料理人や末端のスタッフに非は一切なく、もはや会社としての姿勢の問題でしょう。

ネット上の口コミを確認すると、なるほど団体客としての利用が多い。となるとこれは確信犯。一般ユーザとしての自衛策は、予約の時点で巨大な宴会が同時開催されていないか確認することでしょう。もしくは団体客として入店し思いきり羽を伸ばすか。上手く使えば悪くないお店なのかもしれません。現場からは以上です。


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