1983年創業の老舗「焼きとん酒場 かね将 本店(かねしょう)」。創業以来、芝浦の食肉市場から仕入れる新鮮な豚モツを使った焼きとんが看板メニューの名物酒場であり、近隣の勤め人や住人、学生に長く愛されてきました。五反田駅西口から徒歩約2~3分の好立地で赤い看板が目印です。
店内は典型的な大衆酒場であり、16時半の開店と同時に席がほぼ埋まってしまうほどの人気ぶり。予約も可能ですが、おひとりさまであれば一蘭的なカウンター席にスっと通してもらえるのでラクチンです。酒場はこうでなくっちゃね。
赤星の中瓶は700円ぐらいであり、周辺の酒場に準じた値付けです。ホッピーやサワー類も600円かそこらです。それにしても酒場には赤星が似合う。1877年に誕生した日本で最も歴史あるブランドで、熱処理ならではのしっかりとした厚みのある味わいが特長的です。
ガツ酢。豚の胃袋を用いたサッパリとした和え物。ガツをボイルし薄切りにしてネギとポン酢で頂きます。ガツ特有のコリコリ、シコシコとした心地よい歯ごたえが最大の魅力です。
生野菜サラダ。その名の通りのシンプルなサラダなのですが、ラーメン二郎のようにスープ(ドレッシング)がこぼれながら配膳されるのが面白い。ちなみにこのドレッシングは持ち帰り用としても販売されている人気商品です。
スペシャリテの「牛すじトマト煮込み」。とろけるように柔らかい牛すじ肉と大きめにカットされたジャガイモ・ニンジンが目印で、食べ応え満点。牛肉とトマトが相性抜群で濃厚な旨みを楽しめます。別添えのガーリックトーストを注文し、ソースに浸して食べるという儀式は常連客の間での普遍的な推奨事項である。
串焼きは「白コロホルモン」「タン」「ハツ」を注文。1本150円からと魅力的な価格設定ですが、やや臭みが感じられるものもあり、好みは分かれるかもしれません。タンやハツなど匂いが穏やかな部位から様子を見ると良いでしょう。
自家製つくね。粗挽きの肉に軟骨が混ぜ込まれ、大ぶりでふっくらと焼き上げられています。軟骨のコリコリとした食感がアクセントになっており、単調になりがちな挽肉料理に楽しさを加えています。アジフライ。粗めのパン粉をまとわせて揚げられた衣がザクザクとした食感を演出します。やや揚げ油が傷んでいたのか、明日の胃もたれを予感させる重たさが難点。ソースをたっぷりとかけ、なかったことにする。
以上を食べ、軽く飲んでお会計は5千円弱。都心でこれだけの料理と酒を楽しんでこの支払金額はリーズナブル。意外に魚介類のメニューが充実しており、常連客は皆一様に「まぐろぶつ」を注文していたので、次回はそれを試してみたい。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。