すぱいす暮らし/学芸大学

学芸大学のスパイス料理専門店「すぱいす暮らし」。駅から歩いて5分ほどの路地裏にあり、食べログでは百名店に選出されています。個人経営のアートギャラリーのような外観で、まさかカレーを出しているお店とは思えないほどシャレオッティです。
店内はバーのような落ち着いた雰囲気で、カウンター席のみの、奥に細長い造りになっています。ゲストは皆、常連のような様子で、週末に手作りのスパイスカレーを作っていそうな、余裕のある生活を送る限界独身女性が多く、皆どこか似たような雰囲気をまとっていました。恐らくドーナツのことをドーナッツと呼ぶタイプである。
ドリンクはビールもワインも千円以下に抑えられており、日本酒の用意もあるのが印象的。ただ、オペレーションはグダグダですねえ。「カレー子ちゃん」と称する店主はお喋り好きなのか、常連と話してばっかで手が全然動いていない。段取りも悪く、きちんとしたレストランで働いた経験が無いように見受けられました。
塩豚サラダ。思っていたよりも全然ヤサイが少なくさげぽよです。豚肉そのものは豚肉の旨味が凝縮されており、酒のアテとしては悪くないのですが、サラダを期待していた私としてはコレジャナイ感で心が満たされました。
ラムシガー。ラムの粗挽き肉にスパイス調合を施し、春巻きの皮で葉巻状に巻いたもの。パリッとした食感の後にラムの旨味とスパイスの風味が迫って来、どこかマサラドーサを思わせる味覚です。もちろん美味しいのですが、これで1,200円は高杉に感じました。
自慢のカレーは「ポークヴィンダルー」をチョイス。味噌汁とセットで1,800円と強気の価格設定です。何故かお味噌汁が付いて来るのですが、これが豆の粒感を残したスタイルで、味噌汁としてかなり美味しかった。
「ポークヴィンダルー」は南インド・ゴア地方発祥の伝統的なカレーであり、酸味の効いたシャバシャバなスタイルです。食べ進めるうちに発汗作用が促進されるほどのパンチのある辛さが特長的。やや苦味が感じられるので、好みが別れる味覚かもしれません。私は渋谷の「ポークビンダルー食べる副大統領」のほうが口に合うし、なんせ安い。
ライスは色んなお米や雑穀がブレンドされておりパラパラとした口当たり。このライスの傍らに添えられているのは細かく刻まれたぬか漬けのようで、乳酸発酵がもたらす酸味と塩気が記憶に残りました。
以上を食べ、軽く飲んでお会計は6千円を超えました。味そのものは悪くないのですが、流石に高杉晋作です。作業の段取りも悪く素人感があり、目黒の伝説のタイ料理店「みもっと」での辛い記憶を惹起させます。なんともハイヤーセルフな飲食店でした。

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