釜山を代表する名物料理「ナッコプセ(낙곱새)」の元祖として知られる老舗チェーン「ケミジプ(개미집)」。国際市場発祥の店として知られていますが、今回お邪魔した西面店も本店と同様に行列の絶えない大人気店。地下鉄の西面駅から歩いて5分ほどの、飲食店が集まる路地に位置します。
行列を避けるため我々は午前の早い時間帯にお邪魔しました。それでも客席の3-4割は埋まっており、人気のほどが伺えます。各種メディアにも多く取り上げられており、店内には芸能人と思われる写真が多数貼られています。
おひとりさまの場合は30分以内での退店や幾許かの追加料金を求められるなどのルールがありますが、じっくりゆっくり食べる料理でもないので特に問題は無いでしょう。実際におひとりさまでの利用者も多く見られました。
看板メニューの「ナッコプセ」は1人前で13,000ウォン(写真は2人前)。主要具材であるナクチ(テナガダコ)、コプチャン(牛ホルモン)、セウ(エビ)の頭文字を合わせた略称であり、TWICEのMISAMOに近いものを感じます。
調理は全て店のオバチャンがやってくれるので、ゲストは「パンチャン」をつまみながら、しばし2小節待ちましょう。これらの副菜は単なる箸休めではなく、後述するゴハンに混ぜ込むトッピングとしての重要な役割も果たします。
卓上のガスコンロにセットされた浅鍋で食材とヤンニョム(旨辛ダレ)が出汁とともに加熱されていきます。野菜類がしんなりとし、やや煮詰まり気味となった頃が食べごろ。タコはコリコリとした歯ごたえ、ホルモンはムチムチとした弾力とコクのある旨み、エビはプリっとした甘みを持ち、海鮮とホルモンという意外な組み合わせが絶妙に調和します。タレは唐辛子の辛さとニンニク・生姜の香り、野菜類から出る仄かな甘みが層になっており、辛いのに後を引く中毒性のある味わいです。
大きめのボウルで提供されるご飯の上に全てをぶちかまし、海鮮の出汁とホルモンの脂分が融合した即席のビビンバをクリエイトするのが当店流。テーブルに用意された刻み海苔と前述のパンチャンも投入して全体を混ぜ合わせて至福のひと時。具材をある程度食べた後、残ったスープで麺やゴハンを煮込んで楽しむのも良いでしょう。
以上を食べてお会計はひとりあたり13,000ウォン(≒1,300円)。旨辛スープを纏った具材をゴハンにぶちかます背徳感と、この満足度で約1,300円という圧倒的な費用対効果。釜山を訪れたなら外せない、間違いのない一食です。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。







