雲仙福田屋/雲仙(長崎)

雲仙きっての老舗旅館「雲仙 福田屋」。ミシュランにも掲載され、公式ウェブサイトの写真もすげえカッコよかったのでウキウキで予約したのですが到着して愕然。増築に増築を重ねた重慶大厦のような建物です。
場面で素敵な空間もあるのですが、エレベーターに乗り込むためには階段を上り下りする必要があったりとチグハグな瞬間もしばしば。そういえばバレーパーキングと書いてあるのに裏手の駐車場まで結構走らされた記憶も生々しい。
部屋に入って驚き。公式ウェブサイトの写真と印象が全然違います。この仕事を請け負ったフォトグラファーは凄腕に違いない。
ハイカラなんとかという部屋だったのですが、何のことはない、親戚の家の四畳半みたいな空間に板張りのベッドルームが続いているだけです。窓にはカビ、部屋の四隅には蜘蛛の巣と掃除が行き届いていません。旅館だからか部屋にスリッパは無く、欧米かぶれの私にとっては試練の1泊となりそうです。
バスルームは大学生の下宿みたいです。もちろん当館は温泉旅館であり自慢の温泉がいくつもあるので、それぞれの部屋にはこの程度の設備で充分なのかもしれません。ところでその温泉ですが、適度に濁りがありヌルヌルとした触感のお湯で、温泉素人ながら見事な泉質だと感じました。
さてお待ちかねの夕食。個室風に区切られてはいるのですが、天井近くは開いており、隣の部屋のオヤジがすげえうるさい。また、従業員の殆どが高齢者であり謎のタメ語をきいてくるので、旅館というよりは民宿ほどのサービスレベルです。
お造りはフグ。なのですが、隣のオッサンはうるせえし給仕はgdgdだしで美味しさは半減。豪華ですが味気ない一皿でした。
「山賊焼き」とのことで、固形燃料で卓上の鉄板を炙るのですが、火の勢いが弱く何とも不景気な山賊です。
謎に豚の角煮。普通に美味しいのですが、なぜこのタイミングでという気持ちは拭えない。
これは茶碗蒸しだったっけなあ。このあたりで私のスイッチがすっかりオフになったので、記憶があまりありません。
冷めた天ぷらに
酢のものとライス、
火の勢いに乏しい小鍋と雑炊を食べたよ。
デザートが思いのほか美味。上品な甘さの杏仁豆腐に程よい酸味にジュレ、新鮮な果物がOCです。
朝食も色々と出てきましたが、卵かけごはんが一番美味しかった。

ということで、田舎の普通の温泉旅館であり(しかしまあまあ高い)、フォトグラファーの実力が輝いた一夜でした。

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