鮨処 つく田(つくた)/唐津

唐津駅からレトロな商店街を7~8分ほど歩くと現れる「鮨処 つく田(つくた)」。地元唐津の食材を多用するミシュラン2ツ星の江戸前鮨です。
カウンター6~7席のみの小さな店内。松尾雄二シェフは銀座「きよ田」で腕を磨き、1993年に当店をオープン。現在は2代目のムッシュ松尾文平と共に唐津の夜に彩りを添えます。

我々はお昼のツマミ付きコース9,900円を注文。食事だけであればまあこんなもんかという価格設定ですが、酒が高いですねえ。日本酒など1.5合で2千円といきなり銀座価格です。
まずは切り干し大根。トウガラシの粕漬けで調味しており乙な味。
九州を代表する郷土料理ゴマサバが登場。魚の種類ではなくゴマダレで調味したサバであり、コッテリとしたサバの身にコッテリとした調理が良く合う。
唐津の近く、いろは島の牡蠣を酢牡蠣で。そうそう、当店のタネのほとんどは地元のものであり、旅行者にとっては堪らない演出です。
子持ちのササイカ。ふっくらと炊いて緩やかに調味を施しました。ムシャムシャと食べ応えがあり私好み。
にぎりに入ります。まずはヒラメ。健康体であったことがよくわかるハッキリとした歯ごたえ。シャリは地元のコシヒカリであり、赤酢と塩だけで仕上げています。
サワラ。北九州~瀬戸内圏の鮨屋にお邪魔すると良くみかけるタネです。東京で食べる火の通ったサワラとはひと味違う。
アオリイカ。透明感のある見た目ならびに味わい。
クルマエビは茹で上げをチャチャっと握ります。王道の味わいであり当然に美味。
赤身のヅケ。これはまあ、普通の赤身のヅケですね。あまり印象に残りませんでした。
シメサバ。脂の乗ったサバを軽く〆、シャリと食べるにちょうど良い塩梅です。
イワシが旨い。やはり脂のノリは天下一品であり、ジューシーと言うべきかエキスがタレてきそうな勢いです。
ホタテは叩き潰して包丁をたくさん入れ、薄く延ばして握るのですが、私の口には合いませんでした。あの貝柱の食感が好きなのに。
ムラサキウニは巻物で。見た目通りの美味しさなのですが、ちょっとお布団にくるまれてあまり映えません。ウニは軍艦で食べたいなあ。
アナゴはサラっと焼き目をつけて。濃厚なツメと共にヘヴィ級のフィニッシュです。
ギョクはカステラを通り越してプリンのような食感。この日最も記憶に残ったタネでした。

前述の通り食事だけだと9,900円、これに割高な酒代という顛末です。うーん、それなりに美味しいのですが、この土地で1万円も払えばまあ美味しくなるよねという印象。ディナーのおまかせコースに酒を付ければ客単価3万円というのは恐れ入る。唐津の知人に確認すると「地元の人間が行く店じゃないよ。県外客ばっかり」とのことでした。

唐津に用事があれば立ち寄っても良いですが、博多から1.5時間かけてわざわざ行くかとい問われると少し違うなと思ったランチでした。

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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。