ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ(BRASSERIE PAUL BOCUSE Le Musee)/六本木

私は株式会社ひらまつの株主であり株主優待として常に20%オフ。今回は六本木は国立新美術館内に出店するブラッスリーへと向かいます。
ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ。世界最高峰の料理人のひとりであるポール・ボキューズが展開するブラッスリーのライセンシーなのです株式会社ひらまつは。まあそういった肩書はさておき、閉館後の国立新美術館に潜入できるのはこの上ない興奮。私がヘンな所に紛れ込まないように、警備員がゲートからレストランまで案内してくれます。
泡と共にバゲット。添えられるのはバターではなくカレー風味のするフムス的な何か。パンに塗りたくるペーストとして非常に優秀な味覚であり、この時点で既に満足してしまう魔力があります。
フォアグラのソテー。ポレンタ(トウモロコシのペースト)を土台とし、フォアグラとグレープフルーツ、ポテトチップスをトッピング。いずれもベーシックな味覚であり外すことはありません。脇に添えられたグレープフルーツの皮のコンフィチュール(?)の苦味が良かった。
魚料理はスズキのロースト。スズキの味覚も基本に忠実であり、付け合わせのホワイトアスパラガスとホウレンソウもまさにビストロといった味わい。気取らず初心は損なわず、印象の良い料理でした。
合わせるワインはブル白。樽の風味がバァンと効いて迫力がありました。
肉料理は仔牛のヒレ肉。衣をつけて揚げ焼きでカツレツ風です。焦がしバターのソースにケッパーのアクセントが大人の味。食感は柔らかくも食べ応えもあり、王道中の王道といった味覚でした。
ワインはサンセールの赤。赤系果実の風味がしっかりとしたストレートな味わいであり、その奥にミネラルもたっぷりと感じられ、先の控えめな牛肉にピッタリでした。
デザートはザッハ・トルテに牛乳のアイスクリーム。いずれも気をてらわず教科書通りに安心できる味わいです。
正統的なコーヒーを飲んでごちそうさまでした。
株主だからといって肩を持つわけではなく、普通に良いレストランです。そんなに高くない割にそこそこ旨い。ある種の雑さを兼ね揃えた、フランス料理らしいフランス料理です。キャビアやトリュフもいいけれど、フランス料理の神髄とはこういった素朴な料理にあるのではなかろうか。
加えて雰囲気が抜群にいいですね。夜の遊園地に忍び込むかのようなワクワク感に完璧なサーヴィス陣の身のこなし。圧倒的な非日常間。穴倉のようなカウンターフレンチもいいけれど、誰でも知ってる空間でヒネってくるセンスも見逃せない。まさに穴場と言って良いレストランでしょう。地味にオススメです。


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レストランの在り方に迫るというよりは、六本木の今にクローズアップした特集。ラグジュアリーで儚い夜の街へと誘うガイドブック。紙媒体は売り切れちゃうのでお早めに。