オテル・ド・ヨシノ(hotel de yoshino)/和歌山市

何かの雑誌でタテル・ヨシノが和歌山に出店したという記事を読み、加えて和歌山の食材を用いたフレンチと知り、何としてでもお邪魔したいと考えていました。食べログは4.37とウルトラ高得点(2019年7月)。

「和歌山ビッグ愛」というパブリックな施設の最上階にあり、その施設の駐車場を利用することができます。
なるほどビルの少ない和歌山の街にズバ抜けた高さを誇るだけあって、長めは抜群です。他方、サービス陣の動きは中の下であり、結婚式披露宴のバイトが混じったサービスの動きに酷似しています。
メニューはメイン1つのコース、2つのコース、全ておまかせのコースの3種であり、全ておまかせのコースだと何が出てくるのかと問うと、「お好きなメインを選んで頂き、あとはコチラで組み立てさせて頂きます」と答えになってない回答。嫌な予感。
アミューズはグジェール。アツアツのホワホワでベーシックに美味しかった。
トウモロコシのスープ。悪くないのですが、成城石井のレトルトのスープの域を出ません。キャラメルポップコーンを使うアイデアはグッド。
連れの前菜はカンパチのカルパッチョ。「魚自体は悪くないけど、酸が強すぎ」と眉をしかめる彼女。私としては盛り付けのダサさが気になりました。
パンは一般的な味わいなのですが、バターの質が良くなくプラスチックを食べているような味覚でした。
私の前菜はイカ。どうも作り置きをチョイチョイと盛り付けたような食感であり瑞々しさに欠ける。サービスだけでなく味わいも披露宴の料理に近いもがあります。
魚料理はイサキ。色々な食材は用いられているのですが全体としてまとまりがなく構成要素がバラバラに感じられ、やはり宴会料理の域を出ません。
メインは追加料金を払って熊野牛。こちらはまあまあ、素材の勝利です。
連れも追加料金でフランス産の仔羊を注文。「まあ、普通」とのこと。そもそもどうして和歌山くんだりまで来てフランス産のものを食べるんだと私は正論をあてたつもりなのですが、「だって、あたしは仔羊が食べたかったんだもん」と、正論が返ってきました。だから戦争が無くならないんだ。
デザートは何だっけなあ。果物の煮た何かだったような気がするのですが、これまた披露宴的な料理であり記憶に残りませんでした。
小菓子は割に美味く、本日一番のお皿でした。
以上、お食事だけで8千円を超えました。これはガチヤバいクオリティの低さですね。家賃の安い和歌山で、食材が豊富で安価と言われている和歌山で、8千円というランチにしてはガチヤバい金額を払ってこの満足感はガチヤバイです。広尾のタテル・ヨシノ系のビストロ「ラトルチュ」であれば半額でもっと美味しく、汐留の同系列のカフェ「タテル・ヨシノ・ビズ」であれば数段階上のサービスを受けることができます。

本当に吉野建シェフは関与しているのかすら疑わしく感じられる低レベルなレストランでした。


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