歴代のスーパースターたちが眠る高野山の寺院に泊まる旅/和歌山

讃岐生まれの弘法大師空海。本当は二十数年滞在しなけりゃいけない遣唐使を2~3年でさっさと切り上げ、日本に戻って密教をブレイクさせ真言宗の開祖となった宗教家。その彼がメッカとして指定した聖地がココ、高野山です。
この手の話には疎い私ですが、この地に戦国武将など歴代のスーパースターが数多く眠るのは興味深く、また、バブル期にステータスのひとつとして建てられまくった企業墓などを眺め歩くのも面白い。締めくくりには寺院に泊まって精進料理という珍しい体験もして参りました。


■壇上伽藍
117の寺院が並び立つ真言密教の聖地、高野山。嵯峨天皇からオッケーが出てから空海が真っ先に整備へ着手した場所がココ、壇上伽藍です。19の堂塔が立ち並び壮観。京都の寺と比べて空いているのが凄くいい。


■金剛峯寺
2015年に1200周年を迎えた真言宗の総本山、金剛峯寺。「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部としてユネスコの世界文化遺産に登録されています。が、京都あたりのデザイン志向な外観とは異なり、その本質や意義に価値があるお寺なのでしょう。平たく言うとインスタ映えない寺であり、外国人などには理解が難しい観光スポットかもしれません。


■奥の院
弘法大師空海が眠る聖地であり高野山の信仰の中心であり、金剛峯寺とは一転して様々な意匠を凝らした墓石が立ち並び、実に映える地域です。
アンコールのバイヨンやボロブドゥールもかくやと思わせる不思議な魅力に満ち、不謹慎な言い回しではありますが、散歩していてとても楽しいエリアでした。
バブル期には高野山に墓を持つことが一種のステータスであったらしく、様々な企業のアイコンを模した企業墓がたくさんあるのも楽しい。
歴女にとっては歴代のスーパースターたちが眠る聖山としても意味合いも強いでしょう。織田信長、明智光秀、豊臣秀吉、伊達政宗、武田信玄・勝頼、上杉謙信・景勝、結城秀康、平敦盛、法然、親鸞、赤穂四十七士、初代 市川團十郎、松尾芭蕉など、錚々たる偉人たちが仲良く肩を寄せ合っています。
しかしはやり究極は弘法大師。他のメンバーたちは石ひとつぐらいなのですが、空海についてはひとつのエリアが定められており(この橋の先、ここから撮影NG)、とにかく尊敬のされ方が半端ありません。後世に名を残したいのであれば宗教最強説。政治家や軍人、文化人、芸能人では限界があるのかもしれません。


■高野山 別格本山 總持院
https://www.takemachelin.com/2019/07/soujiin.html
その日は高野山の宿坊(宿泊施設を兼ねた寺院)にお世話になりました。夜は精進料理、朝は6時から勤行という珍しい体験。詳細は別記事にて


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