ろしあ亭／神保町

サンクトペテルブルクでの食事が大変不味く、また、丸の内の有名店でもピンと来なかったので、ロシア料理に対して懐疑的な私。しかしこの近辺で働く女医に「ろしあ亭は旨い」と太鼓判を押されたので、その翌日に早速訪れることにしました。神保町はすずらん通り、「スヰートポーヅ」のお隣です。
2階に通されました。BGMは恐らくロシアのものであり、従業員たちも恐らくロシア人。にこりともしないかなりの塩対応であり、独特の内装を含めて異国情緒に満ちています。
何も注文していないのにボルシチが出てきました。恐らく全てのセットメニューに共通した料理なのかもしれませんが、かなり素っ気ないサービスに感じます。味はまあ、普通のボルシチです。ミネストローネに近いベクトルの味わいであり、ビーツ由来の真っ赤な色合いに、酸味が強いのが特徴的。
こちらも有無を言わさず出てきた野菜。メニューには「サラダ」と記載されていましたが、かなり量は少ない。キャベツ（？）を酢漬けにしているようで、やはり酸味主体の味覚です。
自家製ライ麦パン「フレープ」。えらくボソボソしてるなあと訝しんでいると、近くの常連客がボルシチに浸して食べていました。なるほどそういう食べ方が基本形なのかもしれません。しかしあいにく私はボルシチをすっかり平らげていたのである。
「ザクースカ（前菜）。手前はロシア風パンケーキの「ブリヌィ」。中にサーモンや野菜などが入っており味は悪くないのですが、作り置きの冷え冷えなのが玉に瑕。隣のテリーヌ（？）も標準レベル。奥の「セリョートカ」は鰊の塩漬けであり、酸味と旨味がきいて酒が欲しくなります。
メインはロールキャベツ。お皿ごとオーブンで焼いてあるのかアツゥイです。
ソースはまったりコッテリしており実に濃厚。これまで酸味主体の調味が続いていたのでついつい構えてしまいましたが、アメリカのラザニア的な暴力的な味付けでありわかり易く美味しい。ロールキャベツの肉もワシワシと食べ応えがあり、噛みしめるほどに肉の旨味が溢れてきます。本日ダントツで一番のお皿でした。
食後のスイーツはチーズケーキでしょうか。やはり酸味が強く、ロシア人てよっぽど酸っぱいのが好きなんやろな。お茶も一緒についてきます。
しっかり食べたかったので私は2,200円のコースにしましたが、基本的には1,000円前後のランチセットが主力の模様。隣の客が食べていた、マッシュルームスープのパイ包み焼き的なものが大そう美味しかったので、次回はそれをピンポイントで食べに行こうと思います。


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