陸羽茶室(Luk Yu Tea House)/中環(香港)

香港グルメを語る上で外せないのが飲茶ですが、飲茶を語る上で外せないのが「陸羽茶室(Luk Yu Tea House)」です。1933年創業、香港で最古とも言われる老舗。現在はすっかり観光客ズレしてきましたが、昔は富豪が集まる一見さんお断りの、敷居の高いレストランだったそうな。
「植民地時代の名残で、軒先にターバンを巻いたインド人のドアマンがいる」とネット上に書かれていたのですが、私がお邪魔した際はiPhoneをいじってヒマをつぶしている何人だかわからない普通の外人がドアマンを務めていました。
iPhoneマンに促され2階へ。ちなみに当店は常連と観光客を区別するお店であり、一見客は確実に2階以上に通されるそうです。この日の私は半袖半ズボンだったので、全く文句はありません。ちなみに1階の18番テーブルでは2002年にマフィアの抗争による殺人事件が起こっています。
「茶室」という名前からも分かるように、もともとはお茶を飲む場所です。香港の大衆的な飲茶ではかすり傷程度のお茶代しか請求されませんが、当店では1,000円近く取られるのでご注意を。ただしそのお茶は他店に比べて一線を画する味わいです。
普段はオーダー形式の飲茶なのですが、朝のうちであればオバチャンたちが駅弁スタイルで手売りしてくれます。フタを開けて料理を確認させてくれるのですが、衣などの内側の具材までは見てはわからないので、そのへん中国語が得意な方が有利です。
春巻き。中身はイカなのかなあ。イカっぽい独特の旨味と食感が印象に残りました。ちなみに駅弁スタイルの手売りといっても外皮はパリッパリであり出来たてのようです。
「シュウマイ!」とのことで、それぐらいは聞き取れるぜ。ただし何のシュウマイかは不明であり、私の味蕾を信じるのであればおそらく豚肉と海老のあいのこ。美味しいのですが、大衆的なお店と大きな違いがあるかと言えば答えはノー。
こちらは恐らくチャーシューまん的な何かでしょう。中身の餡は中くらいですが、生地の部分が甘味があって美味しかった。
〆に蓮の葉に包んだ中華風ちまき。1合はありそうな外観だったのですが、その殆どが具材という嬉しい誤算。まさに陸羽茶室ふうのライスバーガーであり、モスバーガーはこの料理から着想を得たのではあるまいか。一方で、モスライスバーガーよりも美味しいかと問われると微妙なラインでもあります。
駅弁スタイルから1品取るたびに何を食べたかのスタンプが押されていくのですが、お会計は5,000円を超えていました。うーん、いくら有名な老舗とは言え、4品にお茶を飲んだだけで5,000円超はやりすぎでしょう。そこで料理が絶品であれば文句はないのですが、大衆飲茶の「蓮香居」や「蓮香楼」と対して変わらないし、何なら香港国際空港のキャセイのラウンジとも大差ありません。それならきちんとしたホテルの朝食に行くよなあ。

あくまで話のタネ、老舗に行ったことがあるという証拠づくりのために訪れましょう。


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陸羽茶室
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