佑記肉骨茶(Yu Kee Bak Kut Teh)/コタ・キナバル(マレーシア)

マレーシア料理の代表格「肉骨茶(バクテー)」。コタ・キナバルでもよく食べられており、近所の「新記肉骨茶(Sin Kee Bak Kut Teh )」と人気を二分するのがココ「佑記肉骨茶(Yu Kee Bak Kut Teh)」。ガヤストリートはジェッセルトンホテルのすぐ向かいです。
ネット上の情報ではオープン時間がまちまちなのですが、2019年10月現在、店内の張り紙には14:30オープンと記載されていました。私は16:00過ぎに到着し、4割の入りといったところ。19時前後がピークであり、待ちも生じるとのことです。
「肉骨茶(バクテー)」はもともと西マレーシアのクラン発祥の料理であり、港労働者の朝の栄養補給のために開発された薬膳料理。が、ここコタキナバルではなぜか夜に食べる料理として位置づけられています。英語を話す店員もおり、「初めてなら内蔵は避けて、メニューの7, 8, 9あたりから攻めると良い」とのアドバイスにそのまま従いました。
金属のボウルにお皿などが打ち込まれ、熱湯が注がれます。香港でよく見るお椀を洗うやつですね。箸でひとつひとつ引き上げながらテーブルへと並べる。
そうこうしている間に注文した料理がバババと並べられます。一般的なバクテーは土鍋でごちゃまぜになって出て来ることが多いですが、当店は部位ごとに別々の器でやって来ます。
ベジ・ファーストで青菜の炒め物を注文。その時期によって素材が異なり時価だそうです。この青菜の調理がグッドであり、シャキっとした歯ごたえに青い味、ジャンクな調味と後を引く美味しさでした。
肉団子。肉の挽き方が丁寧すぎて、もはやカマボコのような食感です。もうちょっと粗く、肉の食感を残してあるほうが私は好き。
三枚肉とスペアリブ。三枚肉は薬膳風味の角煮といったところ。脂身がジューシーで美味。他方、スペアリブは煮込み過ぎてエキスが抜けきっており、ボソボソとした食感でイマイチ。奥歯にすげえ詰まります。
「トーフ!トーフ!」と説明されたので追加したのですが、油揚げ的なものでした。これがスープをたっぷりジュブジュブと良く吸って、豆腐と見せかけてスープを楽しむ名脇役です。
店員のオバチャンが小皿にニンニクと唐辛子をぶちまけ、謎の液体をドロドロと流し込み、魅惑のソースが完成しました。オバチャンがそのまま箸で先の油揚げをこのソースにひたし、私の目の前まで持ってくる。え?これはアーンして食べろって意味?と困惑していると、私の取り皿に油揚げをそのまま置いてきました。あれはどういう意味だったんだろう。やっぱアーンかな。でも違うかったら超恥ずかしいしな。
同じオバチャンが今度はチマキを持って来、「食うか?」的な表情で私の前にプレゼンテーションし始めました。実に旨そうだったのでそのままブンブン首を縦に振ると、お皿にあけて4つに食べやすいように切ってくれました。肉やキノコやらがたっぷり入った絶品なのですが、今度はアーンしてくれませんでした。
「チマキあるからこのゴハンはいらないよね?」的な表情があり、そのまま下げて値引いてもらうことに。ちなみに我々はこのやり取りの全てをノンバーバル・コミュニケーションで通しています。
お会計は1,000円かそこらでした。これは、アリ。豚肉の色々な部位を独特の調理法で楽しむことができ、青菜やチマキの味わいも併せて価格を考えれば絶品と評して良いでしょう。東京のバクテーはふざけた価格設定の店が多いですが、やはりエスニック料理は地元で楽しむに限る。オススメです。


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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

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