ユリイカ(EUREKA)/下北沢

下北沢は鎌倉通り脇の小道の奥にある「ユリイカ(EUREKA)」。移転、閉店、業態変更、再開と目まぐるしく状況が変化しているようですが、2019年10月で8周年。この日のディナーも満席でした。
BGMはフランスのラジオであり、壁にはロートレックのポスター。フランスのビストロをそのまま移植したかのような内装です。
酒が安く、どのワインも酒屋の1.5~2倍程度の値付けです。ワインリストは厚くグラスワインも豊富であり、ソムリエのワインに対する愛情を深く感じました。
コース料理を注文。突き出しとしてフムスが出てきます。スパイスのきいた味の濃いひよこ豆のディップは食欲を掻き立てる名脇役。
コースと言えどもいくつかの選択肢があり、前菜の追加もOK。限りなくアラカルトに近いコースです。私の前菜1皿目はリヨン風サラダ。自家製のベーコンが秀逸。奥行きと深みのある味わいであり、完璧に半熟なポーチドエッグと共に極上の味わい。
パンは素朴ながら味わい深く、まさにビストロといった方向性でした。
追加でお願いした前菜は魚介のアラのスープ。濃縮された魚介の旨さといったらない。加えてルイユのピリっとしたニンニクの風味にグリュイエールのコクと旨味。食べる、という表現が適切な液体でした。
メインはマグレ鴨の胸肉のロティを選択。ビストロとして正統的な調理であり、肉そのものの素朴な味わいにソースのほんのりとした甘さが良く合います。大食漢の私としては、もうちょっと量があったほうが嬉しいな。
3人で訪れ、私は前述の鴨、ひとりは牛ホホ肉の赤ワイン煮込み、もうひとりは鶏肉と食べるものがバランバランだったのでワイン選びに難航しましたが、少なくとも私のメインにとってはグッドチョイス。
ワインに余裕があったのでチーズを追加。4種がこれだけ盛り合わさって1,500円というのはリーズナブルです。
デザートにも選択肢があり、私はガトーショコラをチョイス。これまた質実剛健な味覚であり量もたっぷり。正攻法に正攻法を重ねたデザートに思わず笑みがこぼれます。
お会計はひとりあたり1万円と少し。ただしこれは良く飲み良く追加したからであって、「前菜+メイン+デザート+コーヒー」という通常のコース仕立てであれば3,800円で済み、抜群の費用対効果を誇ります。数十種類ものアラカルトメニューも魅力的。近所にあれば通い詰めてしまいそうなお店でした。


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