アグーしゃぶしゃぶ みるく 那覇店/若狭

那覇の繁華街からは少し外れた若狭エリアに店舗を構える「アグーしゃぶしゃぶ みるく 那覇店」。店名の通りアグー豚を使ったしゃぶしゃぶを専門とするレストランであり、食べログでは百名店に選出されています。
入店してすぐにレセプショニストがおり、彼女の指示のもとアサインされた個室にスムーズに案内されます。席数は150近い大箱であり、そのいずれもが個室なのは嬉しいのですが、近くに騒がしい団体客や家族連れが居ると地獄であり、要するに隣室ガチャなお店です。
上等なハコに訓練されたサービスの割にアルコールの価格設定は控えめ。いっそのこと完全に酔っぱらってどんちゃん騒ぎに移行したほうが良いかもしれません。他の客をオーバーウェルムしできるゲストが最も楽しく過ごすことができるシステムです。
我々は「特選アグーしゃぶしゃぶ琉球セット」を注文。6,930円です。自慢のしゃぶしゃぶにジーマーミ豆腐やモズクなどが付くのですが、これはまあ一般的な飲み屋のそれであり、わざわざしゃぶしゃぶ専門店で食べる必要は無いでしょう。 
ラフテーは全然美味しくないですね。肉の旨味や脂が抜けきってパッサパサであり、そのへんの沖縄そば屋のそれのほうが余程美味しい。豚肉料理専門店の豚肉料理が不味いとは悪い冗談としか思えません。
主題のアグー豚のしゃぶしゃぶ。なのですが、生ハムのように薄くスライスされており、それぞれいがカッチカチに冷凍されており、食べる前からテンサゲです。まるで凍らせたコンドームのようである。
野菜も普通の野菜であり、スーパーの野菜コーナーで売られている鍋セットのようなプレゼンテーション。さっきの肉と野菜はそれぞれ2人前であり、これだけで1万円を超えるとは悪い夢を見ているかのようです。
肉そのものは悪くないですが、出汁が妙に甘ったるく、伝統的なしゃぶしゃぶとは明らかに方向性が異なる。どちらかというとスキヤキに近い料理に感じました。
溶き卵とたっぷりの黒胡椒で食べる独特のスタイルが推奨されており、やはりしゃぶしゃぶというよりはスキヤキなのかもしれません。だがしかし私は自宅で1パック500-600円の鶏卵を買う漢。このクオリティの卵であれば無い方がマシというものです。
ほんの数口だけ麺が用意され、雑炊にするには追加で380円を要します。なんだかロマンに欠けるシステムだなあ。
食べログの百名店に選出されているため、それなりに期待してお邪魔したのですが、期待は気体となって雲散霧消。代わりに怒りが沸々とわいてきました。この程度の鍋であれば宅飲みで会費2千円で済む。食事を楽しむというよりは、団体客の居場所として機能することに価値を置く飲食店に感じました。

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