吾味鳥/西脇(兵庫)

地元産の高品質な「播州百日どり」の焼鳥で評判の「吾味鳥」。日本列島の重心にあたり「日本のへそ」として知られる西脇市に位置します。「ごみどり」か「ごみとり」、はたまた「ごみちょう」と呼ぶのは不明であり、つまりそれぐらいネット上に情報が少ないお店です。
店内はカウンター席が10席近くあり、テーブルもいくつかあります。このあたりは仕事が早く上がる文化なのか、オープンの17時からチラホラ客が入り始め、18時には満席。観光客もビジネス客も少ないエリアでこの混雑っぷりは凄い。家族経営で明らかに手が足りていないので、イラチな方は18-20時のピークタイムは外した方が良いかもしれません。
飲み物のメニューは無く、何があるのか、また、それがいくらなのかは不明です。ビールはあるだろうと見込んでビールをお願いすると、中々のビッグサイズで登場しました。
地元民からの情報によると、当店の自慢は新鮮な鶏肉を使用した刺身であり、ササミとレバーを盛り合わせでお願いしました。おおー、確かにこの生肉は旨いですねえ。ササミは魚のようなクリアな味わいであり、レバーは鉄っぽさを感じつつも少しも臭みはありません。
さっそく焼鳥に入ります。当店は料理の種類が潔いほどに少なく、サラダなどのサイドメニューも用意されておりません。鶏肉以外の食べ物は付け合わせのキャベツぐらいではなかろうか。
スペシャリテの「串焼」と「首身」。前者はアバウトな商品名ですが、実際は玉ねぎと九条ネギを用いたネギマ的なひと品でした。後者は所謂「せせり」であり、コリコリとした食感が特長的。タレが変わっていて、味噌ベースに結構なピリ辛具合。日本酒や焼酎よりもビールやハイボールが似合う味覚です。
「しんぞう」はハツ。シイタケに見紛うほどのビッグサイズであり、こんなフニャフニャでよく生きていたなと心配になるほど柔らかい口当たり。口いっぱいに心臓を頬張る背徳感といったらない。
「肝焼」はレバー。刺身で食べた印象とは大きく異なり、旨味が凝縮されて濃ゆい味覚です。ちなみに「しんぞう」と「肝焼」はピリ辛味噌ダレではないため、こちらは日本酒が欲しくなる味わいです。
「ヒネ鶏」は卵を産み終えた親鶏を指すのでしょうか、若鶏に比べて肉質がしっかりしていて、歯ごたえがあります。旨味が強く、濃い味わいが楽しめます。脂は少なめで、深いコクがある。それにしてもすげえ量だな。
以上食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり8千円ほど。これは爆裂に飲み食いした結果であり、普通の飲食量であれば5千円かそこらに落ち着くことでしょう。東京の洒落た店であれば半分の量で倍の料金を請求することを考えれば実にお値打ち。最近の東京はマンハッタン化が進み、だいぶおかしなことになってるなと痛感した夜でした。

食べログ グルメブログランキング

関連ランキング:焼き鳥 | 新西脇駅西脇市駅


関連記事
焼鳥は鶏肉を串に刺して焼いただけなのに、これほどバリエーションが豊かなのが面白いですね。世界的に見ても珍しい料理らしく、外国人をお連れすると意外に喜ばれます。
素人にとっては単に串が刺さった鶏肉程度にしか思えない料理「焼鳥」につき、その専門的技術を体系的に記しています。各名店のノウハウについても記されており、なるほどお店側はこんなことを考えているのかという気づきにもなります。