1977年に銀座で創業し、新宿にも数店舗を構える「あるでん亭」。店名の通りアルデンテの食感にこだわったパスタが売りであり、近隣の勤め人の胃袋を満たします。この日は新宿住友ビル店にお邪魔しましたが、2025年5月14日(水)に新宿NSビル店もオープンしたようです。
正午ごろににお邪魔したため店内はパニック状態。テーブルの片付けが追いついておらず掃除も甘くなりがちで、オーダーの取り違えと作り直しも頻発しており、悪循環に陥っています。ピークタイムを外して訪れるべきお店でしょう。
「ルッコラとレタスのサラダ」は680円とまあまあ高いのですが、どう贔屓目に見てもルッコラは含まれていません。忙しすぎて入れ忘れたのか、そもそもそういうスタイルなのかは存じ上げませんが、費用対効果を考えると、当店において注文してはならない料理のひとつであることは確かです。イカとブロッコリーのソテー。こちらも680円とまあまあ高く、似たような価格で旨いラーメンを楽しむことができることを考えれば割高です。
カルボナーラは1,480円で、大盛でプラス300円、ベーコンを2枚トッピングして追加で500円、合計2,280円とまあまあ、いや、かなり高価なパスタです。生クリームを殆ど用いず卵黄の風味が支配的なローマスタイル。
パスタは太目のものを特注の回転式茹で釜で調理しているそうで、なるほど完璧な熱の通り具合です。ただ、プロのイタリア料理人に言わせれば当たり前のことであり、ファストフードとしてはまあまあ美味しいよね、といったレベルに留まります。
行列で20分待たされ、着席後に20分待たされ、4千円近く支払った割にはそこそこ美味しいレベルに留まります。パニック状態の片付いていない店内で食事をするというのもロマンチストの私としては精神的に苦しいものがある。普通のイタリアンレストランのランチで4千円も出せば相当良いものを食べることができることを考えると、めげないしょげない泣いちゃだめ。アイドルタイムに訪れ最安値のパスタをサクっと食べるのであれば、もう少し印象は違うのかな。

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イタリア20州の地方料理を、その背景と共に解説したマニアックな本。日本におけるイタリア風料理本とは一線を画す本気度。各州の気候や風土、食文化、伝統料理、特産物にまで言及しているのが素晴らしい。イタリア料理好きであれば一家に一冊、辞書的にどうぞ。