目黒駅から歩いてすぐ、権之助坂を下ったすぐ右手にあるメグロード1階に位置する中華料理店「上海食堂 陳民(ちんみん)」。オープンは1987年と、このあたりではかなりの老舗と言えるでしょう。ちなみにメグロードには「酒嚢飯袋(しゅのうはんたい)」や「和創作 太(わそうさく た)」など魅力的なお店がたくさん入居しています。
店内には著名人の色紙が飾られ、各種のメディアで紹介されることも多い。カウンター席にテーブルも沢山あって、様々な用途に対応できます。店のオバチャンを始めスタッフは皆、感じよく、厨房の料理人からも朗らかな掛け声が耳に届きます。
注文して数分で着丼。このスピード感は中華料理の美点である。中目黒の某店は何故あんなに仕事が遅いのかが謎である。こちらは「五目かた焼きそば」。野菜や海鮮がたっぷり入った具沢山の逸品です。パリッとした硬めの麺に、ほのかな甘みのある濃厚な餡が絡み、野菜のシャキシャキ感と魚介の旨味が絶妙に調和します。餡の汁が麺を適度に柔らかくし、歯応えの変化も楽しむことができます。
他方、ランチに付随する玉子スープはパっとしませんね。他の料理は濃いめの味付けなのに、このスープだけが妙に薄味なのが気がかりだ。ランチタイムはプラス200円で麻婆丼を付けることができます。山椒の痺れる辛さと辣油の風味が効いており、辛味と旨味のバランス感覚が素晴らしい。ミニサイズでも食べ応え十分で、これは果たして上海料理なのかという疑問を吹き飛ばす満足度があります。
以上を食べて1,200円。インフレの悲鳴が聞こえ始めて久しいですが、この立地この価格でこれだけ旨いランチが楽しむことができるのだから大したものです。バラエティ豊かな安旨ランチも魅力的ですが、ディナーの飲み放題付プランも気になる。次回は夜に、仲間を集めてジャンジャン飲み食いしたいと思います。

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目黒は焼鳥やトンカツ、カレーにラーメンと生活に密着した飲食店が多く、そのいずれのレベルも高い。地味ですが豊かな食生活が約束されている街です。
- サエキ飯店 ←食堂系中華の最高峰。
- レストランユニック(restaurant unique) ←ジビエが自慢。
- クロデグルメ(Clos Des Gourmets) ←1万円でお釣りが来るミラクルなフランス料理店
- 立飲ビストロシン サンテ(SHIN Sante) ←普段使いの最高峰。
- 手づかみDining 東京ハンズ(Tokyo Hands) ←大好きだ愛してる。
- リナシメント(RINASCIMENTO) ←前菜の盛合せ。ぐわー!なんだこりゃ!
- 和創作 太(わそうさく た) ←これをお買い得と言わずして何と呼べば良いのでしょうか。
- 鳥しき ←焼鳥界のレジェンド。
- LAND(ランド) ←目黒のカレーはコチラでキマリ。
- 薬膳スープカレーシャナイア(Shania) ←でもスープカレーならこっち。
- 支那ソバ かづ屋 ←下手な中華料理屋に行くよりも余程上質。ワンタンメンはマスト。
- 鶏そば きび ←まるで上質な水炊き屋のような味わい。
- とんき ←80年の歴史は伊達じゃない。
- タイ料理 みもっと ←ここはガチでやばたにえん。
市や区など狭い範囲で深い情報を紹介する街ラブ本シリーズ。2015年の『目黒本』発売から約4年の年月を経て、最新版が登場!本誌は目黒に住んでいる人や働いている人に向けて、DEEPな目線で街を紹介するガイドブックです。