万博で割と良かったレストラン2店

私は東京に居を構えながら1か月間で4日間万博を訪れるハイアマチュア勢なのですが、毎度訪れるたび、食事はイマイチだなあと頭を悩ませています。もちろん慣れない仕入先から得た材料を慣れないキッチンでスピーディーに提供する必要があるのだから、当たり前と言えば当たり前です。

本稿では、食事はイマイチ万博の中で、割と良かった飲食店を2店ご紹介します。

■アフリカンダイニングホール PANAF
西ゲートゾーン(リングサイドマーケットプレイス西の2階)に位置するアフリカ料理を提供するレストラン。隣は大阪関連のレストラン、1階はK-POPとアニメイトが入居するカオスな建屋です。
店内はコストコのフードエリアのような雰囲気で、それほどアフリカらしさは感じません。席数は200近くあるのかな。食事時に訪れたにも関わらず、ゲストは半分の入りといったところです。奥にはライブステージがあって、1時間に1回程度、パフォーマンスが開催されます。
料理はアフリカ大陸の多様な食文化を反映し、2か月ごとに異なる地域のメニューを提供するそうです。私がお邪魔した際はビーフシチューやクスクス、バゲットサンドにサラダ、スイーツ類が用意されていました。
ファストフードのように先に注文を済まし、料理の用意ができればレシートの番号で呼び出しがかかる仕組みです。私は「マフェ・セット」を注文。ボリュームは中々のもので、サラダとクラフトビールが付いて4,250円というのは、万博においては良心的な価格設定です。
飲み物は「マダガスカル・バニラ・エール」でお願いしました。マダガスカル産バニラビーンズを使用し、甘くクリーミーなバニラの香りとホップの軽い苦味が調和します。アルコール度数は控えめで、口当たりは滑らか。ユニバの「バタービール」に方向性が似ているかもしれません。
セットとして付随する「アフリカン・フレッシュサラダ」。トマト、キュウリ、玉ねぎをベースに、レモンとオリーブオイルのシンプルなドレッシングで仕上げた爽やかな味わいです。シャキシャキした食感と鮮やかな彩りが特長で、変な表現ですが、普通に美味しいです。
主題の「マフェ」。ピーナッツバターをベースにしたシチューです。トマトの風味を土台に、玉ねぎやニンニク、ショウガに加え、様々なスパイスが組み込まれているようです。牛肉がホロホロに煮込まれ量もたっぷり。長粒米もソースを吸って良い味を出しています。全体として所謂バターチキンカレーのビーフ版といった味覚でしょうか、全く辛くなく、思いのほか万人受けする味わいでした。


■PAULANER IMBISS (樽生ドイツビールと洋食の店)
https://www.expovisitors.expo2025.or.jp/gourmets/782eecd1-7e00-467e-bf92-2f03ffbc0048
ドイツパビリオン近く、リングサイドマーケットプレイス東側にある「PAULANER IMBISS (樽生ドイツビールと洋食の店)」。ミュンヘンの老舗パウラーナー醸造所の樽生ビールとソーセージを始めとするドイツ料理を楽しむことができるお店です。ドイツパビリオン併設のレストランとは別の店舗なのでご注意を。
店内席と店外席があり、いずれもドイツのビアガーデンを彷彿とさせる活気ある雰囲気で、屋内外に広がる席は木製テーブルとベンチでカジュアル。数種類のパウラーナー謹製樽生ビールの用意があり、料理は「ヴラートヴルスト」「アイスバイン」「グヤーシュ」など定番のドイツ料理から、日本人向けにアレンジされたメニューまで幅広く揃っています。
私はビールに「ヘフェヴァイス(Hefeweissbier)」をチョイス。小麦のビールでフルーティーで爽やかな味わい。バナナやクローブのような香りが支配的で、アルコール度数は低めでゴクゴクいけます。1杯1,700円と中々のお値段ですが、専門店やオクトーバーフェストなどで飲むことを考えれば良心的な価格設定でしょう。

ツマミは「ソーセージロール」で、ジューシーなドイツ風ソーセージをカリッと香ばしい生地で巻きこみます。ソーセージはスパイシーな風味と噛むほどに広がる肉の旨味が印象的。ビールとの相性も抜群です。こちらが2本で900円というのはリーズナブルです。

印象的だったのは、「お!山田さん来た来た、こっちこっち!」という具合に、普通に飲み会の場として万博を活用していた地元の年配の方々。豊かな老後である。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。