おにまる/麻布十番


「ねえ、最近おにまる行ってる?今夜つきあってくれない?」とおにまるガールズ名誉会長より連絡。彼女は一時期おにまるに入り浸っており、会いに行けるおにまるという勢いがあったのですが、引越しを境にめっきり足跡が途絶えていました。
 お通しに焼きそら豆。春を感じる青い味。私は皮ごと食べる派です。
酢もつは当店で必ず注文すべきツマミのうちのひとつです。丁寧な下ごしらえが施され、さっぱりと、かつ、コリコリとした歯ごたえが酒の友として最適。 会話の邪魔をせず、旨い。
福岡県糸島産の日本酒。東京での流通量が少ないため、見つければ即注文です。マスカットや洋梨のような華やかな香りにクイクイと進む飲み口。
まぐろ中落ち。「ふたりで食べるには大きすぎる」と大将より指導が入りましたが、「大丈夫、あたしは昼からコレを注文するって決めてたから、絶対に食べるもん」と意思の固い名誉会長。

さすがに常連の我々は手馴れたもので、A面は彼女、B面は私とスプーンで見る見るうちにこそげ取り、ある意味初めての共同作業である。誰か結婚披露宴でウェディングケーキ入刀じゃなくて、マグロ1匹解体ショーとかやってくんないかな。
和牛ハツの串焼きも当店で必ず注文すべきツマミのうちのひとつです。野性味の溢れる力強い味覚であり、ムシャムシャというオノマトペが妙にしっくり来る串焼きです。数が限られているのが難点で、この日もこの2本で売り切れでした。
数が限られていると言えば豚足。こちらは彼女の大好物であり、一時期はラスト1本を巡って喧嘩になったほどです。プルンとしたゼラチン質に、炭火で思い切り焼いた焦げ目が絶妙なコントラスト。
古伊万里ベロリ。このエチケットでピンときた貴方は相当の酒好きです。日章旗を思わせるエチケット『山の壽okiro』を完成させた杜氏が古伊万里に移り、飲食店限定でリリースしたにごり酒。ささやかな発泡にサラりとした甘味。これは外人が好みそうだ。
ホッケ。身の締まった実に味わい深い個体です。ホッケって可食部が多くて、冷めても身そのものに味があるから、ダラダラとお酒を飲むのに最適な食材ですよね。
「あたし今日、めちゃくちゃ食欲あるわ」と、気だるげな大人の色気を滲ませながら白レバーの串焼きを追加注文する連れ。寸暇を惜しんでフランス料理を食べまくる私にとって、白レバーとはムースやパテで食べる食材なのですが、なるほど串焼きとして直で食べるのも乙な味です。
「あー!!マシュラーン!!ひさしぶり~!」と、町内会の女の子が合流。数年前のデビュー当時は、タイミングが合えば我々について来るという程度のJ2クラスだったのですが、最近はひとりでカウンター席を陣取り、近くの客に愛想を振りまき、客と客を繋ぎ、いつのまにかこの店にとって最も重要なピン芸人に育ったようです。
5色納豆。たっぷりの薬味に刺身、温泉卵と納豆を混ぜ合わせ、海苔で包んで一口で頬張る逸品。たくあん(いぶりがっこ?)の味覚ならびに食感が隠し味になっており実に美味。「マシュラン~、はい、あーん」と、混ぜて海苔で巻いて口へ運ぶという一連の作業を全てピン芸人がこなしてくれるので快適快適。
ハマグリの酒蒸し。ヌキテパのスペシャリテを想起させる特大のハマグリ。白眉は付け合せのタケノコ。ザクザクとした歯ごたえに滋味あふれる春の味。まさに春爛漫といった一皿です。
「ねえ、今度3人で遊びに行こうよ!大島か、静岡か、ディズニーランド!」何やその節操の無い3択は。議論に議論を重ね、最終的には間をとって、芝公園でのピクニックに落ち着きました。
もろきゅう。若いキュウリにもろみ味噌を添えて頂きます。そういえばもろきゅうの『もろ』って何だっけ?皆、漠然としか理解していなかったのでググってみると、醤油の実すなわち醤油を造るための醸造した液体に入っている固形物とのこと。日本酒で言うところの酒粕だそうな。
「もんのすごい種類の食材を切り揃えないといけないから、0時以降の空いているときだけ」という鉄の掟が存在するちゃんぽん。1年近くぶりに食べましたが、やはり当店のちゃんぽんは絶品である。野菜・肉・魚介・麺という、ありとあらゆる食材を凝縮し、深みのあるスープが全体をバランスさせる。

それにしても良く食べた夜だ。春が来ると、やっと自分の季節がやってきたという気がする。


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