ダイヤモンド・プリンセス(Diamond Princess)

私はクルーズ旅行に限って言えばアメリカ船、中でもプリンセス・クルーズ社がお気に入りです。これまでいくつかの船会社にチャレンジしてきましたが、やはりプリンセス・クルーズ社が最も私の価値観に合っており、日系のクルーズ船はいずれもペケという結論に達したました。

【参考記事】

さて、そのプリンセス・クルーズ社。5年前の2013年より規制緩和やら何やらで、日本周辺の航路での運航を開始したのです。横浜からプリンセス・クルーズ社の船に乗れるだなんて、まさに渡りに船。今回のゴールデンウィークでの運航は、航路そのものに魅力はありませんが、船を純粋に楽しむにはうってつけ。加えてゴールデンウィークに飛行機に乗ると目を剥くような割増料金を摂られますが、ことクルーズに限ってはそれほど割高感が無いというのも決め手のひとつとなりました。
航路は横浜を出て瀬戸内海ならびに関門海峡を抜け2日間かけて釜山に寄港し、再び関門海峡を通って神戸で下船するだけ。「なぜ釜山?」という疑問については『カボタージュ規制』というものがあって、それについては釜山の記事に説明を譲りましょう。


■大さん橋/日本大通り(横浜)
 この港はいつ来ても美しい。私は結構な数の港を見てきていると思うのですが、その中でも大さん橋はダントツにクールです。
臨時に設営される入管を通り抜け、いざ乗船。出国地が「YOKOHAMA」のスタンプが珍しい。


■船室
旅行の鉄則「最高級ホテルの最も安い部屋に泊まれ」に従い、窓すらない安い部屋を予約しました。ゴールデンウィークに4泊5日の宿泊と、移動と食事代込でひとりあたり10万円と考えれば安いもの。日本人にとってクルーズ旅行は妙なハードルの高さがありますが、盆暮れ正月にハワイに行くほうがよっぽど贅沢に思えます。
閑話休題。お部屋の説明です。下から2番目ぐらいに安い部屋だったと記憶しているのですが、広さは17平米と結構広い。
ツインベッドに大きなライティングデスクがあり、クローゼットも広々です。部屋中に鏡が張り巡らされているので圧迫感もありません。
バスタブは無くシャワーブースのみですが、普段から湯船にあまりつからない生活をしているので無問題。どうしても湯に浸かりたくなれば、有料の大浴場(後述)に行けば良いという判断です。


■船内設備
まずはビールで乾杯。ハイネケンの大ジョッキサイズが7.5ドルと居酒屋価格。ホテルで飲み食いすることを考えれば安いものです。
屋外のプールサイドではDJがガンガンにEDMを流しています。DJという専門職を乗せるという感覚が、日本船のそれとはまるで異なります。
こちらはバスケットコート。ロッククライミングやアイススケート場を備えた巨大船に比べるとレクリエーション系の設備はやや少なめです。あとはパターゴルフ場がありました。
今回の船は、プリンセス・クルーズ社が保有する船の中で唯一大浴場を備えています。「泉の湯」という名の展望浴場であり、1回90分の利用で15ドルと結構高く、また、利用には予約が必要と面倒なことが多いです。日本船だと、いつでも誰でも無料で利用できて当然というスタンスなのになあ。
乗船当日に限って浴室を見学させて頂きましたが、眺望はさておき、誂えとしてはアパホテルやスーパーホテルのそれと大差なかったので、1回15ドルというのは割高に感じます。
コチラはカジノ。私は賭け事が好きじゃないので利用したことはありませんが、日本領海を出れば営業を開始するようです。

営業していなくてもドアを開け、電源は入れておいてくれるのが海外船の良いところですね。日本船は「開けたら閉めろ、点けたら消せ」の軍隊式教育が徹底されているので、こういった雰囲気づくりがヘタクソな印象。話は逸れますが、日本の会社は昼休みに明かりを消灯するなど電力節約に熱心ですが、あれ、意味あるのでしょうか。点けっぱなしのほうが実は節電になるという話も聞いたことがあり、真偽の程は如何。
ライブラリーは貧弱です。蔵書が少なく、クルーズ関連の本や寄港地情報にも乏しい。ことライブラリーに関してはにっぽん丸のセンスが素晴らしかった。
フィットネス・センターの大きさも中くらい。やはりロイヤル・カリビアン社のボクシング場やスタジオがいくつもあるフィットネス・センターは、今更ながら圧巻であった。
プリンセス・シアター。2層吹き抜けの立派な劇場。日本船の体育館に仮設の椅子を並べる方式とは豪華さが異なります。しかしながら、プリンセス・クルーズ社のエンタテインメントレベルは極めて低いため、今回もショーなどには参加せず、避難訓練時に1度利用しただけでした。
ムービーズ・アンダー・ザ・スターズ。プリンセス・クルーズ最大の特長と言って良い設備です。プールデッキにある大型液晶スクリーンで映画などを放映。今回は「リメンバー・ミー」「グレイテスト・ショーマン」「オリエント急行殺人事件」という話題作を楽しむことができ私得。2010年に地中海で乗船した際は、サッカーワールドカップを放映するという粋な計らいもありました。オススメの設備です。


■邂逅
数年前のカリブ海クルーズで食事のテーブルが一緒だった夫婦に偶然会いました。当時の彼らは新婚旅行でしたが、今回は子連れであり感慨深い。それにしても、やはりクルーズ旅行を一度でも体験した方は、間違いなくリピーターになりますね。船上生活には中毒性がある。



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『ダイヤモンド・プリンセス』目次

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クルーズ旅行が好きです。ホテルごと移動して、朝起きたら違う土地に着いているという手軽さがいいですよね。煩雑な荷造り&荷解きとは無縁。交通費と食費も込みなのでリーズナブルです。
子育て中のイラストレーターが漫画でクルーズの素晴らしさを伝えてくれるエッセイです。クルーズ旅行って、高級なイメージがありますが、子連れなどの場合は総額では割安になることが多い。そのような事実や基礎知識を非常に解かり易く著している良本です。クルーズをまだ一度も経験したことが無い人が読むに打ってつけ。