輝々麻布(ききあざぶ)/麻布十番

今月の東京カレンダーで見開き2ページで特集されていたお店。お店の系譜やシェフの来歴に特殊な点は無いのに何故こんなにも大々的に特集されているのだ?新手のステルスか?と不思議に思い、まずはランチで下調べ。
パティオ十番から雑式通りを下った雑居ビルの地下1階。デカデカとした看板があるので迷うことは無いでしょう。
軒先に写真付きのメニューが掲示されています。東京カレンダーやヒトサラなど、メディアに取り上げられましたよ感が満艦飾。
内装は高級個室居酒屋といった風情。ガチのデートというよりは、会社員がちょっと予算高めに会食を行うという雰囲気。近所で言えばあみ城のような雰囲気です。
まずは「東京軍鶏の鶏ガラを5時間煮込んだ、特製白湯スープ」が供されます。1,000円の親子丼と、1,500円の親子丼があって、このスープは後者にのみ付随します。なるほど旨い。鶏の旨味にほんのりとショウガのような香り。やや温度が低くぬるく感じてしまったのが残念。
「奥久慈卵を使用した東京軍鶏の石焼親子丼」が到着。ジュウジュウと威勢よくゴハンが鳴り響き、トロトロと繊細に溶け行く卵と、色の濃い黄身が印象的。
オマケながら香の物が中々旨い。これはちょっと夜のクオリティが気になるレベルです。
黄身を崩し、液状化現象を見せ始めた親子丼を頬張る。ワオ、これは旨いぞ。上品でありながらしっかりと味の濃い溶き卵(?)に見逃せない味覚があります。軍鶏も凝縮感のある高品質なものであり、「食材に関して一切妥協しないお店」と胸を張るだけのことはある。
おこげができ始めました。カリカリと食感に変化をもたせてくれ、食べ手を飽きさせません。ウェブサイトには「お米にもこだわりを持ち、北海道のゆめぴりか『命米』を雲井釜で炊き上げています」とあり、なるほど一味違うように感じます。
甘味にパプリカのグラニテ。これは面白い味ですねえ。確かにパプリカの味わいであり、さんさんとした太陽を感じる濃厚な果肉。長崎県五島列島の「五島パプリカ」を使用しているようで、このまま高名はフランス料理屋に持って行っても勝負になるでしょう。

商業主義的なものを感じつつ半信半疑でお邪魔しましたが、実に満足の行くランチタイムでした。今回は1,500円の親子丼でしたが、1,000円の親子丼でも充分でしょう(差分は白湯スープと黄身だけなので、そういう意味でプラス500円は割高)。
夜のメニューがあったので眺めてみましたが、コースは8,000円~からと悪く無い価格設定。ただし酒の値付けがメチャ高ですね。ムートンカデがボトルで8,000円ってどういうこっちゃ。まずはランチで好みかどうかを確認してから、夜に酒は控えめにお邪魔するのが消費者にとっての最適化戦略でしょう。


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麻布十番には日本料理店も結構多いのですが、割高であることが多いです。外すと懐が大ダメージを受けるので、信頼のおける口コミと、味覚が似た友人の感想に頼って訪れましょう。
東京カレンダーの麻布十番特集に載っているお店は片っ端から行くようにしています。麻布十番ラヴァーの方は是非とも一家に一冊。Kindleだとスマホで読めるので便利です。