オステリア ラディーチ(OSTERIA RADICI)/三田


田町駅から第一京浜を東へ10分ほど。ちょっと不便な場所なのですが、実に使い勝手の良いイタリアンレストランがあるのです。
カウンター8席・テーブル12席を、料理人1人ホール1人のツーマンセル体制で回します。ウォークイン(予約なし)で訪れる方も結構多く、おひとりさまも大歓迎であり、地元民に愛されているお店。
イタリアのビール「モレッティ」で喉を潤す。ちなみにグラスのスプマンテは600円とお値打ちなので、泡で攻めたほうがトータルでは安くつくことでしょう。
パンたち。いずれも正統的な味覚であり、複数種類あるため、インターバルにポリポリとつまんだり、ソースを拭ったりと色々な使い方ができました。おかわりについては何も言わずともドンドコドンドコ持ってきてくれます。
「いろいろ彩り野菜のマリネ」は結構量があって、800円とお値打ち。素朴な調理であり、胃腸のウォーミングアップに最適です。
「生ハム・サラミ類の盛り合わせ」は1,400円。こちらも結構な量があって、塩気が酒を誘います。このように、一皿一皿のボリュームが結構あるので、食いしん坊数名でお邪魔するのが良いでしょう。
一番安い泡は3,000程度。その他、3~5,000円の価格帯のボトルが多く、気楽にガブガブと飲むことができます。われわれは4人でお邪魔して4本開けることになりました。
「プーリア産 ブッラータチーズと高糖度トマト”アメーラ”」は1,300円。ラッテリア ベベ カマクラとまではないにせよ、都心で食べるブッラータとしてはかなりお値打ち。ちなみにブッラータとは、モッツァレラチーズにクリームが練りこまれたような感じのフレッシュチーズであり、私の最も好きなチーズのひとつです。
「サルシッチャとオリーブのフライドミートボール」。これはメチャメチャに美味しいですねえ。肉の凝縮感と肉汁を楽しみつつ、オリーブの風味でバランスを取る。小ぶりながらもハッキリとした食べ応えがあり、万人ウケする味わいです。
「自家製オレッキエッテ ブロッコリーとアンチョビのソース」。オレッキエッテ( Orecchiette)とはイタリアのプーリア州やバジリカータ州を代表する耳形のパスタであり、当店は自家製の手打ちです。うーん、旨い。モチモチとした食感にハッキリと感じる小麦の風味。茹で加減もパーフェクト。ソースはパスタの美味しさを引き出すベーシックな味覚です。
「“紅孔雀”(鶏卵)のカルボナーラ 2.4ミリのスパゲットーニ」。これぞ正統派のカルボナーラといった濃厚な味わいであり、生クリームがグジャグジャと入った和製カルボナーラとは一線を画すレベルの高さです。暴力的なほど太い麺も男性的な味わいがり、ひと口食べるごとにモリモリと元気になってきます。
「自家製ピーチ サルシッチャとフェンネルのサフランソース」。ピチとは小麦粉と水だけから作られる、丸くこねた太麺パスタです。讃岐うどんのようにコシがあり食べ応え抜群。先ほどのオレッキエッテと同様に、パスタの美味しさを引き立てる具ならびにソースの取り扱いであり、太麺好きにはたまらない逸品。
メインはボンベッテ。カチョカヴァロと豚肩肉ロールの炭火焼きです。カチョカヴァロとはモッツァレラチーズをギュっと凝縮して熟成させたようなチーズ。それをコクのある豚肉でグイグイと巻きつけ、勢いのある火加減で焼き上げます。素材の濃い味わいに負けない思い切りのある調味。素晴らしいメインディッシュ、素晴らしいフィニッシュでした。

おなかいっぱい食べ、ひとり1本飲んで、ひとりあたり9,000円で済みました。上品な飲食戦略で臨めば5~6,000円に収まり、見事な費用対効果です。ラストオーダーは24:30と夜遅くまで開いており使い勝手抜群。何より根源的に美味しい。また来ます。


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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
十年近く愛読している本です。ホームパーティがあれば常にこの本に立ち返る。前菜からドルチェまで最大公約数的な技術が網羅されており、これをなぞれば体面は保てます。

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